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このお店のシェフである忠内 秀哲氏はイタリアンのシェフとしては異色の経歴の持ち主です。まず地元静岡のお寿司屋さんの家庭で育ち、エコールキュリネール国立日本料理専門学校を卒業。そこまでは完全に和の世界でした。それが24歳でイタリアへ渡り、今度は4年半にわたってイタリア料理の星付き名店で修業されたと言います。帰国後静岡のお店で腕を振るったのち、2013年にこのお店でシェフとなられました。
20席ほどのお店を有能なマネージャーである野間 大樹氏と一緒に切り盛りし、見事東京イタリアンの食べログ百名店、ブロンズ賞に輝いたのです。
年末のランチに伺うと、すべてのテーブルが満席という人気ぶり。さて8皿5500円というコスパ抜群のランチとはどんなものだったのでしょうか?
マネージャーのおもてなしも素晴らしい、コスパも大のランチとは
このレストランでマネージャーの野間さんの存在は大きいように見えました。終始愛想よく話しかけてくれ、居心地の良いムードを作っておられました。ここなら例えばグルメ初心者のカップルが来ても、気楽に相談できるし安心して楽しめそうです。
ランチコースは5500円で8皿も出て、どれもが値段以上に内容が濃くて充実した料理でした。そして例えばシチリアらしいパスタが出たら野間さんが「本場シチリアを旅しているような気分を味わってください」とひと言声を掛けてくれます。やはり気分が盛り上がるのです。
メニュー構成はアミューズ、前菜3皿、パスタ、メイン、デザート2皿。確かに充実コースです。
アミューズはたくさんのどんぐりの中に2つだけあるグリーンオリーブのフリットです。中には金華豚のミンチを詰めてあります。スプマンテに合うスナック。
前菜の一皿目は塩麴でマリネしたカマスにりんごと蕪がスライスして飾ってあります。カラスミパウダーもかけてマイクロコリアンダーも添えてある斬新な盛り付けです。リンゴと蕪の見分けがつきにくいのも面白い。
イタリアの本場の味を再現したメニューの数々
前菜2皿目は穴子のフリットにオカヒジキの素揚げ、パンツァネッラ(トスカーナ名物のパンの入った野菜サラダ)、モッツァレラはソースにしてバジルオイルもプラスしてかけてあります。
次もトスカーナの郷土料理リボリータ。野菜や豆をスープで煮込んだミネストローネのトマトなしを煮詰めたような料理です。これはぬるくてスープとも言えないし、地元の素朴な料理を再現しているのでしょうけれど、味わいも中途半端な感じです。
鰯とフェンネル(ウイキョウ)のシチリア風スパゲッティは、パン粉や松の実が入っていて、実際にシチリアで食べたことのある本場の味です。少々味付けが濃いのも本場の味わいか。
メインのアイルランド産ビーフのハラミのローストはあっさりして、付け合わせのルッコラともよく合って食べやすい1皿でした。
デザートも2皿。パンナコッタは、みかんをコンポートにしてから冷凍しているというこだわりも。2皿目は洋梨のスパイス風味のコンポート仕立てにフレッシュチーズのフロマージュブラン、ライムを加えたソースをかけて。
食後の感想としては、イタリアの味を取り入れつつ工夫した料理はどれも食べやすかったものの、これは!という光る料理が見つからなかったのが少し残念という感じでした。でもこの値段で、手軽にカジュアルなイタリアンを楽しめ、サービスも良いので、お得なお店だと言えるのではないでしょうか?
(2021年12月訪問)
レストラン名(ジャンル) | ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO) イタリアン(イタリア料理) |
住所 | 東京都渋谷区広尾5-19-7 協和ビル 1F |
TEL | 03-3473-0707 |
予算 | ランチコース 5500円~ ディナーコース 12000円~ |
座席/個室有無 | 20席 個室なし |
予約の可否 | 予約可 |
公式サイト | http://ponte-del-piatto.com/ |
まとめ
もともと日本料理を目指していたシェフがイタリアンに転身してイタリアで長い間修業されたといいます。今はイタリア愛が強いようで、料理はとってもイタリア色が強い本場の味でした。
広尾の隠れ家風の高級感漂うお店とは言っても、予想以上にコスパ最強のランチ。サービス係のマネージャーさんも優しいので、居心地よくお食事を楽しみ、イタリアへ行った気分を味わえるお店と言えるかもしれません。