すっかり我が家の食卓に欠かせなくなった田楽味噌。ふろふき大根や茄子に合わせるのは勿論のこと、最近のお気に入りは卵かけご飯の醤油代わりに味噌を使う、料理とも呼べないような一品。甘辛い味噌が卵黄と絡むことでまろやかな風味になり旨味が増すのです。
先日九州旅行で訪れた熊本県阿蘇市。美しい山の木々や川が流れるこの場所は、アニメ映画の舞台になった上色見熊野座神社があることでも知られています。そしてその向かいにあるのがこの「高森田楽保存会」。実はこの周辺の地域は高森田楽と呼ばれる田楽味噌の生まれた土地。そのため何軒か田楽を味わえるお店があるのですが、「高森田楽保存会」はその中でも高森田楽の元祖と呼ばれる歴史あるお店なのです。
熊本旅行をするにあたって3軒ほど田楽のお店に目星を付けていましたが、地元のタクシー運転手さんが「田楽なら田楽保存会さんがおすすめだよ」と教えてくれたのでここに決定。最初「保存会」という店名を聞いたとき「なんかお堅そうだなぁ」「事務所かなにかに併設された小さいお店なのかな」と思っていましたが、とんでもない。明治時代から変わらない純和風な建物の中にはいくつもの囲炉裏が設置され、そこで各々食材を焼いて秘伝の田楽味噌をつけて食べるスタイルです。店員さんもみんな気のいい方たちばかりで、時折焼き加減を確認しに来ては「これはもう食べ頃ですよ」と教えてくれるので、最高の状態でいただくことができます。
こんにゃくや山菜、鶴の子芋、山女魚、若鶏など地元の食材を使った串焼きはどれも絶品!やっぱり自分たちで目の前で焼くと美味しさもひとしおです。特にお店の人気メニューでもある山女魚は、囲炉裏でじっくり焼いているからなのか驚くほど身がふっくら。若鶏も身が柔らかくジューシーで、どちらも田楽味噌との相性も抜群!ただ炙って味噌をつけているだけなのになんでこんなに美味しいんだろう…これは病みつきになります。
お世辞にも利便性の高い場所にあるとは言えない「高森田楽保存会」ですが、それでも世界中から多くの観光客が足を運んでくるのは、やはりその評判ゆえ。ただ運ばれてきたものを食べるだけでなく、こうして自分たちで作って楽しめるスタイルは、間違いなく旅の1ページに刻まれる素敵な思い出になるでしょう。私も今回の九州旅行のハイライトは「高森田楽保存会」での食事になりました。またいつかお邪魔させていただきます。ご馳走さまでした。
レストラン名 | 高森田楽保存会 |
ジャンル | 郷土料理 |
住所 | 熊本県阿蘇郡高森町大字上色見2639 |
TEL | 0967-62-0234 |
予算 | ¥2,000~3,000 |
座席 | 170席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 予約可 |