「メゾン・ポールボキューズ」「オーベルジュ・ド・リル東京」などなど、フランスのミシュランの星付き人気レストランの支店を日本に出店させてきたのが、ホテル、オーベルジュやレストランを手掛けるひらまつグループです。名店を誘致するのが本当にうまいのです。
2017年には今回取り上げるレストラン「フィリップミル東京」を東京ミッドタウンにオープン。本店はシャンパーニュ地方ランスにある2つ星シャトーレストラン「ドメーヌ・レ・クレイエール」で、総料理長がフィリップ・ミル氏なのです。彼は自分の名前を冠した店を世界で初出店したわけです。
38歳という若さでフランス国家最優秀職人賞(M.O.F.)を受賞し、その後ランスの老舗シャトー「レ・クレイエール」の総料理長に就任してわずか2年でミシュランの2ツ星を獲得し、「グランド・キュイジーヌの新星」と讃えられてきたのです。
フィリップ・ミル氏の料理を継承してその料理を東京のお店で忠実に再現するのは、シェフ中村哲也氏です。中村氏はアルザス地方などで3年半余り修業をし、ひらまつの店舗で研鑽を積んだ後、2019年4月に料理長に就任。現在はゴ・エ・ミヨ誌でも3トック15.5の高得点を獲得しています。
「優雅なシャンパーニュサロン」がコンセプトと言うだけあって、拠点であるシャンパーニュ地方から130種類ものシャンパンが用意され、料理とのマリアージュを考えたシャンパーニュのデュギュスタシオンコースや、毎月5~6種類のグラス・シャンパンを提供してくれるのは、シャンパン好きにはたまりません。
前回は昨年お祝いの会食でディナーに訪れていたので、今回は明るいムードの店内でお手頃ランチ「ラ・デクヴェルト」4200円のコースを頂きました。アミューズ、前菜(トリュフがけは別途1500円)、魚料理、肉料理(鹿肉だったのでビーフに変更+2500円)デザート、カフェという3コースです。ランチだとこれで私には十分。
アミューズの次は前菜で「セップ茸の香りを纏った半熟卵 アーティチョークとシャンピニョン 石川県産 あんがとう農園のトピナンブール」トピナンブールは菊芋でそのエスプーマに香りのいいパウダーがかかっていて、真ん中に半熟卵、そしてカリっとクルトンが添えられています。これにトリュフをたっぷりかけてもらいました。半熟卵にトリュフはやはり相性抜群で贅沢な気分。
食材は日本のものを取り入れ、日本人の味覚に合うようにアレンジされているなと思いました。
真鱈のヴァプールの魚料理は能登の蕪の付け合わせにシャンパーニュの奥深いソース。見た目にも美しく味も素晴らしいのです。クリーミーに見えるソースも濃厚ではなくて胃にもたれません。上質な和牛の味も最高でした。デザートの可愛さと言ったら、まるでおとぎ話に出てきそう。
サービスもよく、すべてに一切の手抜きなく楽しませてくれるお店って、あるようでめったにないものです。ここは私にとって、またリピートしたいお店にランクインしたのでした。
(2020年12月訪問)
レストラン名 | フィリップミル東京 |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4階 |
TEL | 03-5413-3282 |
予算 | ランチ コース 4200円~ ディナー コース 10000円~ |
座席 | 80席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 予約可 |