「コスパ良すぎませんか?こんな値段でホントに大丈夫なんですか?」帰り際、私たちは挨拶に出て来てくれたシェフに真剣に尋ねたのです。ランチ7皿+プチフールといったコースがなんと3500円なのです。内容の濃い、とっても満足のいく品々でした。
グランメゾンらしい白亜のシンプルながらエレガントな店内、一切の手抜きなき美しい料理の数々。もちろんその味もどれもが絶品です。コースはアミューズが3皿、前菜が2皿、メイン1皿、デザート1皿、プチフール2種、コーヒーという構成で、お値段から想像していた軽いランチどころではありませんでした。
函館市、函館山の麓にあって、夜景が美しい高台にある一軒家レストラン「メゾンフジヤ ハコダテ」。2020年6月にオープンされた新しいお店です。
シェフの藤谷圭介氏は北海道は江差出身、イカ漁を営むお家の息子さんで、人の良さそうな優しそうな方です。以前札幌でやっていたお店はミシュラン1つ星を取っていて、今回の函館のお店は、新しいミシュランはまだ未発表なのですが、ゴ・エ・ミヨで15.5点と言う高得点をすでに獲得されています。
クラシックなフレンチと聞いていたのですが、濃厚なソースが使われることもなく、変に凝りすぎる料理法でもなく、よい食材を一番美味しく食べられるオリジナリティある調理法。出し方の演出も楽しいものです。
まずアミューズの最初が「北斗産人参」。本物の大きい人参に、小さな人参に見立てた人参ムースを挟んだチュイールを刺してあります。わ、可愛いと皆が歓声を上げます。次はブルーの鮮やかなお皿が美しいツブ貝、出汁のジュレ寄せ。(冒頭の写真参照)
こげ茶の岩石みたいなのは、スペシャリテらしいベニエです。中身はエイのほほ肉にイカ墨とマヨネーズ、ガラムマサラのアクセントを付けて。口の中で混然一体となって旨味が広がります。シェフが重視されているのは熱々で食べてもらうことのようで、ほふほふと出来立て熱々なのがまた素晴らしいのです。パンも焼きたてのバゲットで、バター、オリーブオイルのほかに、ヒラメと鱒とジャガイモのグランダードと呼ぶリエットまで出してくださったのには感動しかありませんでした。パンひとつにもこだわり、ゲストに満足してもらおうという意気込みが感じられます。
ここからもまだオードブルです。低温調理で火入れが抜群に良い桜マスの燻製。ズワイガニのリゾットと2皿続きます。メインは若鶏でボリュームたっぷり。デザートは苺のパフェかフォンダンショコラからチョイスで、プティフールもカラフルな自家製マカロンとマドレーヌ。
いかがでしょうか?読んでいるだけで「3500円のコースでこんなに出るの?」と誰もが思われたでしょう。コスパ良すぎませんか?との私たちの質問に藤谷氏は「しばらくこのまま行く予定です」との答えでした。なんと良心的な方なんでしょうか!!まだオープンして1年にもならないので、こんなお試し料金のような値段で楽しめますが、私が予想するには、今後ミシュランの星が付いて予約が取れにくくなってきたらこの料金では難しくなるはず。なのでまずは今のうちに一度行っておくのを強くおすすめします!! (2021年4月訪問)
レストラン名メゾンフジヤ ハコダテ(maison FUJIYA Hakodate)
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 北海道函館市元町17−17 |
TEL | 0138-76-9653 |
予算 | ランチ コース3500円~ ディナー コース6000円~ |
座席 | 56席 |
個室 | 半個室あり |
予約の可否 | 予約可 |