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    馳走 啐啄一十(ちそうそったくいと) (日本料理/広島市/広島県) 有名料理家・平野寿将氏の超が付く人気店

    馳走そったくいと

    こちらが大将の平野寿将氏。物腰柔らかな方でした

    こちらが大将の平野寿将氏。物腰柔らかな方でした

    名料理人と呼ばれる平野寿将(ひらのひさま)氏が手掛ける広島の日本料理店「馳走 啐啄一十(ちそうそったくいと)」。グルメ好きなら誰しも一度は行きたいと憧れる名店なのです。食べログ4.34(2021年9月現在)という驚くべき高評価はなんと広島県でナンバー1の人気店です。ミシュランでは1ツ星に輝いています。
    テレビにも出演されるという有名な平野氏が生み出す料理は一体どういうものなのでしょうか?2021年9月、実際にお邪魔してお料理を堪能してきました。

    料理家・平野寿将が腕を振るう日本料理店

    すっきりした入口

    すっきりした入口

    夕食のみ営業のこのお店。現在は全11品15000円(税込み16500円)のコースのみで、18:00一斉スタートに合わせて広島のお店へ行って参りました。
    カウンターが全部で9席。個室のような別スペースに2名。計11席のようです。普通の平日の夜なのに満席で、人気のほどがうかがえます。
    平野氏の料理は、広島の各地で湧き出るすばらしい軟水を使用した昆布出汁を基本とした料理だそうです。北海道から九州まで、厳選した極上の素材を取り寄せて、信頼できる生産者や業者と繋がり、奥深い本物の味を求めているそうです。

    無駄な動きが一切ない息の合った「舞台」

    無駄な動きが一切ない息の合った「舞台」

    1960年生まれの平野氏は、京都「萬重」にて修業後、25歳の時に地元松山で懐石料理店を始めたものの、その後コンビニ弁当の仕出会社経営後倒産の憂き目にあい、30歳で東京へ。紆余曲折あって、93年には池袋で屋台村をプロデュースして一大ブームの火付け役となったのです。テレビ出演も増えて料理店などのプロデューサーとしても活躍されています。91年にはなんと郷土料理・懐石料理の貢献が認められ、内閣総理大臣より表彰されたのです。
    そんな有名な大将が始めた料理店は、名匠の誉れを世に広められる素晴らしい料理を提供しています。今ではお弟子さんが独立して「馳走2924」というフレンチと別のお弟子さんは寿司屋もやっているそうで、いずれも馳走グループに入っています。大将の息子さんは目下このお店でお弟子さんから「若」と呼ばれ修業中のようでした。大将と息子さんとお弟子さん一人と、店主でもある女将の上田笑歌(うえだえみか)さんとでお店を切り盛りされています。

    驚くべき料理の数々

    秋先取りの秋刀魚と銀杏

    秋先取りの秋刀魚と銀杏

    11皿もあるコースはかなりボリュームがあって、ハイライト的な料理がいくつも出され、見せ場も十分なところなのはさすがという感じです。
    最初に出たのは天然アワビと京都の湯葉、白ずいき。こちらは北海道は羅臼の昆布出汁です。素材の旨味が最高の状態に引き出される美味しいお出汁です。次は本ミル貝と車海老、山菜など。塩か土佐醤油で頂きます。新鮮なのは当たり前のようで、プラスアルファなんだか背筋が伸びるようなシャキッと切れのある料理が続きます。オープンキッチンで、カウンターの中で繰り広げられる息の合った無駄のない動きは、舞台でも見ているようで惚れ惚れします。

    新松茸もお椀でたっぷり頂きます

    新松茸もお椀でたっぷり頂きます

    北海道の新サンマは炭火で焼いて、熊本の新銀杏を添えて、楓の緑色の葉っぱも一緒に盛り付けた秋を先取りの一品です。7年半も熟成させた礼文島の昆布出汁で長野の新松茸をお汁にして出されました。名店では季節を先取りして味わえる贅沢感。
    オコゼ、塩甘鯛、クエ、一週間寝かせた金目鯛など次々に現れる海の幸。そして大将いわく「かなりやばい!!」鯵と鮪が出て、カウンターのあちこちではほーっという溜息が漏れています。たしかにやばいほど美味しい刺身です。少しお鮨でも食べたいかも。

    すごい料理はまだまだ続きます

    金のトウモロコシの真丈と茄子

    金のトウモロコシの真丈と茄子

    私が気に入ったトウモロコシの料理は、糖度20度越えという金のトウモロコシの真丈に茄子を添えて。絶品です。駿河湾のクロムツ(のどぐろのこと)の「ほぼ火が入ってません」という柔らかく仕上げたものが出て、次はいよいよ肉料理です。広島の榊原牛は32か月熟成させた最高級のビーフで、「若」が目の前で塊を薄切りにしていきます。昆布といりことサバとあごの出汁をかけてネギとおろしを入れた品は、熱々の出汁で肉の色がほんのりピンクに染まったところを頂きます。底には薄いお餅が敷いてあり、これも食感の違いを楽しめます。肉の美味しさは格別で、素晴らしい発想の料理としか言いようがない!

    榊原牛の最高級32か月熟成を料理していきます

    榊原牛の最高級32か月熟成を料理していきます

    スペシャリテのトリュフかけご飯は雲丹入りで、ダメ押し。大将が言う「体には悪い(笑)」シリーズですが、だからこそこれほど美味なのでしょう。辞められるはずがありません。
    デザートは長野の桃に夕張メロンのソルベかけと、さっぱりして優しい甘さが締めくくりにふさわしい1品。最後まで楽しませてもらいました。まさにエンターテイナーであり、名匠といえる平野氏の料理には感動です。
    お弟子さんに店名の由来を聞きました。その説明はなんと2分くらい続き、到底ここで書き切れるものではありませんでした。自分で聞いてみてください。凄く思い入れのあるお名前のようですが、難しくてなかなか覚えられませんね。

    データとまとめ

    ご飯を見せてくれる「若」こと大将の息子さん

    ご飯を見せてくれる「若」こと大将の息子さん

    お店のデータ

    店名馳走 啐啄一十(ちそうそったくいと)
    ジャンル日本料理
    店の住所広島県広島市中区富士見町5-1 随木ビル 1F
    電話082-249-0957
    席数カウンター9席 個室2席
    予約夕食のみ 完全予約制
    予算15000円のコースのみ 一斉スタート
    長野の桃と夕張メロンのソルベ

    長野の桃と夕張メロンのソルベ

    まとめ

    いかがでしたか?テレビまで出てちやほやされてる大将のようなので、行く前は本当のところどうなんだろうと懸念していたのがウソのよう。何もかも感動させられる美味しさの料理だったのです。食通の方が魅了されている意味がよく分かりました。広島へ行くならぜひ行ってみてほしいお店です。
    (2021年9月訪問)

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