小田原漁港の目の前にあるイタリアンレストラン「イル・マーレ」。白と青で統一された外観は、イタリア語で「海」を意味する「イル・マーレ」という言葉がぴったりな爽やかな雰囲気です。漁港というだけあって港にはいくつものボートが停まっていて、なんだかイタリアの小さな港町にでも来たかのような気分。早く着きすぎて周辺でウロウロしているとスタッフさんが声をかけてくれて、すぐに店内に案内してもらえました。
イル・マーレの料理は、立地を活かした地産地消のイタリアン。目前の漁港で水揚げされる新鮮な魚介類をふんだんに使った、絶品料理が食べられると評判なのです。
今回私がいただいたのは5,000円のランチコース。ランチもディナーも共に4つのコースから選べるのですが、あまり多くても食べられないし、少ないとそれはそれで物足りないので2番目に安いものをチョイス。アミューズ、前菜、パスタ、メイン、デザートの計5品の構成です。
シェフの依田隆氏は元は普通のサラリーマン。26歳のころ一大決心し料理人へと転身。山田宏巳氏のイタリアン「リストランテ・ヒロ」で修業を積んだのち、イタリアを巡ったのだと言います。“お客様の喜ぶ顔が見たい”その一心で毎朝市場や協力農家さんのところに通っている依田氏。その日その日で1番良いものを食べてもらいたいという思いから、コースはすべてお任せメニューになっています。生産者さんのところにまで毎日通えるのはやはり地産地消にこだわっているからこそでしょう。
そんな依田氏の作るイタリアンはどれもハズレ無しの素晴らしい料理。まずアミューズで出たカマスのベニエ。そば粉でフリットした熱々で、そば粉に合わせてワサビが添えてあるのも絶妙です。また鮮魚のサラダ仕立てはイナダやイサキなど計5種類の魚をそれぞれ違ったソースでいただくというこだわりの逸品。全部目の前の漁港で獲れたという魚は新鮮で、生でいただくのにぴったりです。パスタは野菜たっぷりの中に瞬間スモークした穴子を忍ばせて、ヘルシーで味わい深い一皿に。メインも魚を使用しているのですが、調理法に工夫があって飽きることなく最後まで美味しく食べることが出来ました。
目を見張るような創作性溢れる料理というよりは、繊細かつ丁寧につくられていた「イル・マーレ」の料理。小田原までわざわざ足を運ぶ価値のある素敵なイタリアンに出会うことができました。(2021年1月訪問)
レストラン名 | イルマーレ(Il mare) |
ジャンル | イタリアン |
住所 | 神奈川県小田原市早川1-11-6 |
TEL | 0465-24-1510 |
予算 | ランチ¥5,000~ ディナー¥10,000~ |
座席 | 18席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 完全予約制 |