「田舎宿で海を眺めながらリラックスしてほしい」まさにこれがコンセプトの宿がありました。茨城県大洗海岸に面し、波打ち際までたったの30ⅿに建つ「里海邸 金波楼 本邸」です。120年の歴史があり、明治21年に潮湯治の保養旅館としてオープンし、その後3回目の全面建て替えが完了しました。
田舎宿なのに、新しいインテリアもミックスされ、廊下はすべて板張りで裸足で歩くのが気持ち良いつくりです。全8室、どれもがゆったり広めの部屋で、6室には専用の半露天風呂が付いています。洗い場が広く、海を見ながらのバスタイムが部屋でも楽しめます。
私の泊まった袖ヶ浦という和洋室は85㎡。ダイニングテーブルもあるリビングルームとベッドルームに加え和室もあってゆとりの広さ。ミニバーのドリンクがフリーだったり、美味しいコーヒーが部屋で飲めるのもいいところ。
大浴場は石の風呂と檜の風呂が時間制で男女入れ替えとなっています。目の前にあるアニメでも有名になった大洗磯前神社の湧き水「鎮守の森の水」を引いていて、温泉ではないものの、霊験あらたかでなんだかとても心地よいお風呂です。温度もちょうどよくて調整しなくてもいいのが嬉しいのです。
湯上りのリラックススペースにも飲み物が用意され、デッキチェアで海を眺めて過ごすひとときも楽しめます。バルコニーに出て海を見下ろせば、海に浮かぶ岩場に神社の鳥居があるのがわかります。
夕食はお食事処の個室で頂きます。仲居さんは感じよくて、さすがは老舗旅館という感じです。穴子入りの茶わん蒸しから始まって、お刺身も新鮮で美味しいものでした。メインのすき焼きは常陸牛のいいお肉なんですが、味付けが濃くて、タレをかなり控えめに入れたのに私たちには塩辛すぎでした。ご飯が欲しかったけれどなくて、うどんを入れるのですが、入れてもまだ辛い。
食材王国常陸の国の上質な田舎料理を目指す・・・とのキャッチコピーですが、食材は上質でも、味付けが田舎風過ぎるのでは?素材の味もさっぱりわからない味の濃さはもったいないです。
朝食はやっぱり田舎食。卵料理なし。アジの開きとニシン、梅干し、明太子、しじみのお汁、しらす、野菜の煮込み、ご飯、以上!シンプルできっぱり田舎風と割り切ったメニューで、むしろ潔い感じで悪くなかったのです。夕食の味付けを改善したら、より高級旅館の名に恥じないかと思いました。 (2021年2月訪問)
旅館名 | 里海邸 金波楼 本邸 |
住所 | 茨城県茨城郡大洗町磯浜町6883 |
TEL | 029-267-2101 |
お風呂 | 大浴場 |
予算 | 2名1室利用の場合1名18400円~(内風呂なし、2食付き) |
露天風呂付客室 | 全8室中6室が半露天風呂付き |