ミシュラン2つ星、食べログ4.37(2021年3月現在)という名古屋の日本料理の名店「京懐石 八泉(はちせん)」のランチにお邪魔しました。本山駅から歩いて5分ほど、ビルの1階に素敵な暖簾がかかっていました。名古屋駅からの所要時間が予想以上にかかってしまい、予約の12時を3分ほど遅刻してお店に飛び込むと、なんと大将はカウンターの中で新聞を広げておられました。すでにすべての準備は完了していたようです。
ランチは私たちだけの貸し切りでゆっくりできました。ランチもディナーと同様の京懐石のおまかせ23000円のコースを頂きました。
大将の天野正義氏はかつて京都で修業され、38年前から地元である名古屋でこのお店を続けて来られ、最近は京都の「中村楼」で修業を終えた息子さんも戻られ、お二人でお店をやられています。夜には奥様も手伝いに出て来られるとか。
名店のご主人というにはあまりにも気さくで楽しい大将。しゃべりもざっくばらんで、なんだか故郷の懐かしいお店に帰って来たような気分です。お茶もおしぼりも飲み物も自分で運んできてくれます。こんなミシュラン店初めてで、親近感!!ビールのグラスを持ってきて、「ちょっと待っとってな、ワインも持ってくるから」と奥へ消えます。フットワークが軽い!
最初のお皿は節分の月だからか、お多福の縁起のいいお皿に金柑の蜜煮をのせて。程よい甘さの金柑を口に入れると、「金柑のどにいいからね」とカウンターから声をかけてくる大将。次に聖護院大根とアワビと菜の花の炊き合わせ。アワビが柔らかく味が染みて美味しい。
次は造りのところを「お腹空いてるやろうから」とお寿司にしてくれ登場。ちょうどいい小ぶりの寿司で、そのネタは天然の紅白の柄が美しい車海老。プリプリを通り越して感動の旨さ。漬け鮪とサヨリもいい味。穴子は表面がかりっとして香ばしく、中はしっとりした絶品。いきなり幸せにさせてくれる大将です。
次は京都風の蕪蒸し。甘鯛ときくらげとゆり根がいい出汁で優しい仕上がりに。八寸は豪華です。兵庫の蟹、大ぶりで立派な黒豆、セリと椎茸の胡麻和えはあっさりして好みです。京都「麩嘉」の限定ヨモギ麩の田楽風。菜の花に見立てた玉子焼き、鰆の幽玄焼きなど。
メインはなんとシャトーブリアンのカツレツです。あまりの柔らかさにびっくりです。フキノトウの天ぷらや赤貝の酢味噌和えも春を感じます。お椀はエンドウ豆の葛饅頭に若竹(わかめと新竹の子)を添えて。お食事は蟹の炊き込みご飯で、ほんのりおこげもすごく美味しいご飯です。もちろん京都の漬物も。
一切の気負いなく、親戚の家族にでもご飯を出してくれるかのような温かいムードの中で頂いた京懐石。身も心もほんわか温まった気がしました。大将ご馳走様でした。
(2021年2月訪問)
レストラン名 | 京懐石 八泉 |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 名古屋市千種区猫ヶ洞通4丁目34 ベルグレイ K・I 1F |
TEL | 052-783-0600 |
予算 | 昼夜共 懐石23000円 |
座席 | 12席 |
個室 | なし |
予約の可否 | 完全予約制 |