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広島駅から電車で40分余り、電車に揺られて東広島市の西条という駅に降り立ちました。19時のディナーの予約をしていた「料理屋そうびき」さんは、その駅から歩いて10分余り。土曜の夜なのに人通りもほとんどない薄暗い道を不安な気持ちで向かいました。
なにしろミシュラン2つ星に輝く名店でゴ・エ・ミヨも15.5という高得点のお店です。こんな寂れた田舎町に果たしてあるのだろうか?不安になった時、通り過ぎそうになったビルに表示が見つかりました。
大将の惣引 保允氏はどうしてこの地にお店を作られたのか?その料理はどんなものなのか?それを知りたくてはるばる行ってみたのです。
このお店で使われている器にはある秘密が・・・・
日本酒に疎い私は、この西条の地がお酒の産地だとは知りませんでした。軟水も硬水も湧く、水のいい土地だそうで、多くのお酒が醸造されています。料理をするにも水がいいことが大きいので、わざわざこの地を選んだのだそうです。
割烹ではないので目の前で大将は料理しません…そのように聞いていたので個室を選びました。若い男女のスタッフがサービス係で、大将には会えませんでしたが、個室は静かで落ち着いて食事が楽しめ、スタッフの方も感じよく、丁寧に料理の説明もしてくれました。
ディナーのおまかせコースは16500円の方を選びました。2つ星店の生み出す素晴らしい味と内容でこの価格設定は良心的だと思いました。
あとで別のイタリアンのお店のシェフに聞いた話では、「そうびきさんで使われている器は、魯山人の皿など、ものによっては何百万もするものを平気で出すそうです」「食器だけであの店には億単位がかけられている」そうです。美しい器だとは思いつつ、全く気付かず食べていた私たち。割れたらどうするんでしょうね?きくと、大将は「ただ悲しい」とか。もちろんお客さんに弁償など求めないそうです。びっくり!!
一皿目からその美味しさに引き込まれました
お任せで出された料理は食材から薄めの味付けから、その量まで何から何まで私たちの好みにぴったりでした。だからすごい満足感で完食したのでした。
美味しいお店の料理は一皿目から引き込まれるものがあります。まさにこのお店もそうでした。
先付けの竹の子、アワビ、うるい、キャビア、ばちこ。丁寧に作られた目を瞠る美味しさにびっくりしたのです。
2皿目の定番メニューであるカラスミ麺にも惹かれました。全粒粉の麺で鮎の魚醤を出汁にいれ、自家製カラスミを振りかけてあります。とある有名イタリアンのシェフもこの料理をヒントにして自らの一皿を生み出したとか。
お椀には松葉ガニの真丈が。ほとんど繋ぎもなく、蟹がどっさりの真丈です。出汁もとても理想的。蟹味噌がとてもいい味を出しています。
季節感いっぱいのちらし寿司にも感動
天然鯛や鰆のお造りの後は、白甘鯛の酒塩焼きが出て、その後桃の節句の八寸が豪華な姿を見せてくれました。ボタン海老や牡蠣の有馬煮、ホワイトアスパラやカラスミと大根の薄切り、タイの酒盗などなど、趣向が凝らされた八寸です。
熊本牛のヒレが出た後は、雛祭りの季節とあってちらし寿司が出ました。穴子、海老、鮪、錦糸卵がたっぷりの贅沢なお寿司に大満足。
デザートも抜かりはありません。紅ほっぺの出来立て苺ソルベと、本わらびと和三盆の焼きわらび餅の美味しさにも感動!!
すべてがこのお店が名店であることを証明してくれる料理の数々だったのです。
レストラン名(ジャンル) | 料理屋そうびき (日本料理) |
住所 | 広島県東広島市西条岡町10−24 第10内海ビル 3F |
TEL | 080-1645-3185 |
予算 | お任せコース 16,500円 または22,000円 お昼も同じコース (お昼は土日のみ営業) |
座席/個室有無 | 19席 個室あり |
予約の可否 | 完全予約制 |
公式サイト | https://sobiki.jp/ |
まとめ
広島から電車で片道40分ほどかけて、寒い夜道を10分歩いてはるばる行ったこのお店。結果的には再びはるばる行きたいと強く思えるお店だったのです。次回行く時は、お皿にも注目しようと思います。ただし、知ってしまったから割らないように手が震えるかも?!
(2022年2月訪問)