有楽町にあるTexturA テクストゥーラは鎌倉にある中華の名店「イチリンハナレ」の齋藤シェフの中華料理とスペイン料理のレストランです。世の中、レストラン業界はボーダレスの時代。「和食とフレンチを融合させたフレンチレストラン」とか、「和のテイストを持ったイタリアン」など当たり前になってきていますが、この店のコンセプトは全く違います。中華とスペイン料理をあえて融合させずに、コースの中でバラバラに出してくるのです。これは新鮮な驚きでした。
この店は入り口近くのカジュアルゾーンと、レストランゾーンに分かれています。カジュアルゾーンはアラカルトが中心。平日のランチのみ1500円からのランチプレートがあります。
2020年9月ディナーではレストランゾーンを予約しました。レストランゾーンはコースのみで8000円のコースを選択。1皿目はピンチョスという名前の皿です。大きな皿に14品の前菜がカラフルに彩られていて、迫力満点。いわゆるピンチョスではなく、中華とスペイン料理の前菜が皿の上で共演しているのです。それに違和感はありません。2皿目から4皿目は「イチリンハナレ」のシグネチャーメニューでもある「よだれ鶏の三段活用」四川名物のよだれ鶏を食べ、その後そのタレに餃子、麺と順につけていただくので、三段活用なのだそうです。5皿目は中華風のカツオのタタキ。6皿目は? テーブルに置かれた3つの銀紙の中で好きな食材を選んでくださいとのこと。手で感触をチェックしてもいいらしい。選んだ食材で料理をしてくれるのです。カラスミみたいな材質を選ぶと、確かにそれはカラスミでした。6皿目はカラスミのスパゲッティに。これはイタリアン?
もはやこの店で1皿ごとに料理のジャンルを語るには何の意味もありません。シェフがおいしいと思った料理をごく自然にコース料理の中で出して来るというのが、この店の最大のウリなのです。「白金豚」「ネギソバ」に続き、メニューには書いていなかったおまけのパエリャが出てくると、コースの盛り上がりは最高潮に。
ピンチョス、よだれ鶏三段活用、秘密の食材、パエリャと、どこまでもお客に楽しんでもらおうとする遊び心のあるレストランだと感じました。
(2020年9月訪問)
レストラン名 | TexturA テクストゥーラ |
ジャンル | 中華料理、スペイン料理 |
住所 | 東京都千代田区有楽町1-7-1 |
TEL | 03-6259-1144 |
予算 | ランチ1500円より、ディナー8000円より、カジュアルゾーンではアラカルトもあり。 |
座席 | 80席 |
個室 | なし |
予約の可否 | 可 |