福岡・天神の近く、住吉神社のそばにある「御料理 古川」。ひっそりと静かな外観ながら、暖簾をくぐると、中は木のぬくもりを感じるきれいな店内で、たくさんのお客さんの活気でいい感じの賑わいです。ご主人の古川誠氏は大宰府出身。大阪の味吉兆で13年修業後、奥様である女将さんの地元である福岡で独立。2018年7月にこのお店をオープンして、2019年度版ミシュラン福岡・佐賀編で2つ星をいきなり獲得するという快挙を成し遂げました。
ランチでお邪魔したのですが、おまかせコースがなんと5000円からというお得な設定です。ミシュラン2つ星のお店のお値段とは信じられないコスパの良さ。そのせいもあってか、平日の昼間なのに満席です。
お店に入って最初のお皿が出るまでに30分かかりました。コースはお昼なのに2時間半以上かかります。列車の時間があったので急いでいると言って2時間強かかるのは、ランチにしてもフレンチ以上の所要時間。平日のランチならもう少しスピーディーにする方がいいかと思いました。でもご主人と女将さん、スタッフで切り盛りしているから仕方がないのでしょうか。サービスは丁寧で感じよく、とりわけ女将さんは明るく社交的な方で、とても人気があるという話もわかります。
毎朝、柳橋市場から鮮魚を仕入れ、野菜は地元農家や京都、島根、広島などからも直送するそうで、こだわりの季節の食材を使った料理の数々は、どれもが正統派日本料理といえる素晴らしいもの。京風に薄味なのも私は気に入りました。
先付、お椀、造りの後に出た八寸は目でも愉しめる美しさ。シャインマスカットとナッツ類を合わせた白和え。タコのおろし和え。ほうずきの中に銀杏が入っています。3時間も低温で焼き上げたスイーツみたいな卵焼き。イクラとオクラを卵黄で和えた一品。どれもがひと工夫されたものでした。
鰆のつけ焼きの後に長茄子、冬瓜、海老芋、水菜の炊き合わせが出て、最後はきのこいっぱいの炊き込みご飯です。炊き立てのホカホカで最高の香り!
デザートはスイカと梨のゼリーが出た後、自家製饅頭と抹茶で終了。満ち足りたランチタイムでした。
ミシュラン2つ星なのにこのお値段でこの内容。ただただお客様に楽しんでいただきたいという、ご主人と女将さんのもてなしの心をひしひしと感じた次第です。 (2020年9月訪問)
レストラン名 | 御料理 古川 |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 福岡市博多区住吉3丁目9-2-1階 |
TEL | 092-409-6113 |
予算 | ランチコース 5000円から ディナーコース 1万円から |
座席 | 14席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 完全予約制 |