滋賀県長浜市の名物「焼きさばそうめん」。思わず「焼きそば」と空目してしまいそうですが、「蕎麦」ではなく「鯖」が正解。考えてみたら発音もそっくりです。
さてこの「焼き鯖そうめん」、その名の通りそうめんの上に鯖を乗せた料理なのですが、きっと「なにその組み合わせ…」と感じる方がほとんどでしょう。しかし実はテレビでも何度も取り上げられたことのある、この地域の伝統的な郷土グルメなのです。
長浜のメインストリートのど真ん中。観光客で賑わうこの通りで一際活気のあるお店が、今回ご紹介する「翼果楼(よかろう)」です。古民家を利用したお店の前には昼前から長蛇の列が。回転は早そうですが昼時になると30分以上待つことはざらという人気店です。
数十分待ってやっと店内へ。歴史を感じさせる建物は築200年を超える年代物。靴を脱いで座敷へ上がります。頼んだのは勿論名物「焼き鯖そうめん」と、同じく人気のあるという「焼き鯖寿司」。なんと注文してからわずか2分ほどで料理が!マクドナルドか!?外であんなに待たされたのが嘘のようです。
元々、農家に嫁いで忙しくしている娘のために差し入れをしたことが始まりだという「焼き鯖そうめん」。そんな経緯もあってか、「焼き鯖そうめん」は素麺ではありますが汁は無く、甘辛く煮た鯖を乗せただけの至ってシンプルな見た目が特徴的です。ここ「翼果楼」では丸二日、骨が柔らかくなるまで煮た鯖と、その煮汁で茹でた素麺を出しているそう。たしかに麺からもほんのり鯖の香りがします。きっと塩焼きだと微妙なのでしょうが、甘辛く煮た鯖は素麺と相性ばっちり。他に具はありませんがつるつると箸が進みます。
ボリュームもありB級グルメとして普通に美味しかった「焼き鯖そうめん」ですが、実は両親が京都人で昔から「にしん蕎麦」をよく食べていた私にとっては、思っていたほど驚きも無く…。しかし、そういう意味ではどこか懐かしさを感じさせる良い料理でした。
ただ、これだけの人気店であるなら退屈な待ち時間にもっと工夫があればいいのになと感じずにはいられません。私が以前訪れた熊本県にある「いまきん食堂」という定食屋はここと同様に昼時は何時間も待つ人気店なのですが、番号札を配布し「〇時間後に来てくださいね」と周辺の観光マップを渡してくれる配慮がありました。なのでこのお店でも、せめて今は何分待ちなのか教えてくれるサービスがあれば嬉しかったです。
店内の忙しそうな雰囲気に委縮して少々慌ただしい食事になってしまいましたが、土産話として最適な「焼き鯖そうめん」。是非本場の長浜市で体験してみてはどうでしょう。(2020年11月訪問)
レストラン名翼果楼 (よかろう)
ジャンル | 郷土料理 |
住所 | 滋賀県長浜市元浜町7-8 |
TEL | 0749-63-3663 |
予算 | ¥1,000~2,000 |
座席 | 70席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 予約不可 |