湘南では貴重なフレンチレストラン「仏蘭西料理 名古屋」。食べログでは神奈川県のフレンチでNO.1の評価(2021年2月現在3.90点)を得ており、地元民をはじめ多くの人が大切な記念日を祝う場としてこのレストランを利用するのです。
「仏蘭西料理 名古屋」は1967年に開業した「レストラン名古屋」の姉妹店。白い西洋風の外観が特徴的な、地元の人から愛されるレストランです。そもそも何故神奈川県の湘南にあるのに「名古屋」という紛らわしい名前を付けているのかというと、オーナーが名古屋出身という実にシンプルな理由なんだとか。なんでそこまで思い入れがあるのに名古屋にお店をつくらなかったんだろう…。
シェフは63年の歴史を持ち2020年に閉店した、ミシュラン二つ星の名店「クレッセント」の元副料理長。「料理に満足し、サービスに癒され、食事をしたそのひと時が、かけがえのない満足に満ち溢れた瞬間になるような食事」を提供することを信念としているシェフの仕事は一つ一つ丁寧。彼の料理は何年経っても変わらぬ美味しさで、長年町の人から愛されています。
外観の瀟洒(しょうしゃ)な雰囲気に違わず、「名古屋」の店内はまるで文明開化の時代のような華やかでクラシカルな空間。西洋風の一軒家を入ってすぐ、その吹き抜けの天井と螺旋階段、そしてアンティークな調度品の数々にここが藤沢であることを忘れてしまいそう。2階は個室になっているので小さなお子さんを連れている人でも気兼ねなく利用できます。私が訪れた際は生憎の豪雨でしたが、天気が良ければテラス席で食事をいただくことも。緑に囲また静かな庭は南仏のオーベルジュのような雰囲気抜群で、ウェディングやパーティーなどでもよく利用されるのだとか。
今回私が注文したのは4,000円のランチコース。アミューズから始まり、オードブル、スープ、メイン、デザートの全5品の構成です。ここ「名古屋」の料理は良くも悪くも「王道のクラシックなフレンチ」。全体的に味つけが濃く、濃厚なソースが特徴です。アミューズで出てきた帆立のソテーはバルサミコを使用したソースと上に散るトリュフの相性が良く美味でしたが、冷めていたのが残念。オードブルのリゾットは味が少々濃かったですがシーフードの旨味が感じられる一皿でした。京風な薄味に慣れているせいかもしれませんが全体的に私には味が濃く感じたものの、パーティーなどの華やかな場には相応しい料理だったように思います。しかし正直なところ、ちょっと背伸びして入るにはちょうどいいレベルのお店ではありますが、「美食店」と呼べるほどではないと感じました。
とは言ってもそんなクラシカルな料理の数々は、お店の雰囲気にはこれ以上ないくらいぴったり。事実そんな雰囲気を楽しみたい人の間では根強い人気があるようで、コロナ禍の平日であったにもかかわらず他に数組のお客さんが来ていました。ソムリエさんも若いですが時折雑談を交えてくれるような非常に愛想の良い方で、この程よい距離感と気持ちのいいサービスこそが、このレストランが地元の人々に愛される所以なのだと実感しました。(2021年2月訪問)
レストラン名 | 仏蘭西料理 名古屋 |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 神奈川県藤沢市鵠沼海岸6-8-14 |
TEL | 0466-35-4596 |
予算 | ランチ¥4,000~ ディナー¥10,000~ |
座席 | 52席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |