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    cuisine urbaine lien(キュイジーヌ・アーバンリアン)(フレンチ/札幌/北海道)~札幌の実力派シェフのお店を訪問!!

    リアン
    テーブルセットもいい感じ

    テーブルセットもいい感じ

    札幌のミシュラン1ツ星のフレンチレストラン「lien(リアン)」。近代美術館に程近い円山エリアにひっそりと建つ小さなお店で、ゴ・エ・ミヨにも掲載されている人気店です。
    三ツ星フレンチ「モリエール」をはじめ、たくさんの美食店が軒を連ねる札幌。そんな中においても非常に高い評価を受けているお店であり、2021年11月現在、食べログの北海道フレンチで3位の実力を誇っています。
    今回はそんな「lien」というお店に実際に訪れて食事を楽しんできました。

    シェフとマダムの二人三脚

    カツオのスモークとバルサミコソース

    カツオのスモークとバルサミコソース

    シェフの木下雄介氏は北海道出身の方。元々パティシエ志望だったそうですが、途中で料理人へと転向。東京の一流ホテルで修業を積んで2012年に帰郷し「lien」をオープンしました。お店はホール担当のマダムと二人三脚で、きめ細かなサービスを大切にしています。

    ハマグリの出汁のみで味付けした雲丹のカッペリーニ

    ハマグリの出汁のみで味付けした雲丹のカッペリーニ

    「lien」とはフランス語で「絆」や「繋がり」を意味する言葉です。木下シェフは今までお世話になった方々やお客様との「繋がり」、そしてこれから新たな「繋がり」を創り上げていきたいとの思いからこの店名をつけたのだと言います。
    普通のお店であれば2人でまわしているとどうしても忙しくて接客が蔑ろにされがちですが、ここではどんなに忙しくても笑顔を絶やさずやられていたのが非常に印象的でした。1人で料理をこなすシェフもそうですが、マダムも仕事をテキパキとこなす方で最強のタッグだなと感じました。

    感動的なトウモロコシの冷製スープ

    トウモロコシの甘みと雲丹の塩味が良いバランス

    トウモロコシの甘みと雲丹の塩味が良いバランス

    「lien」の料理はランチ・ディナー共にその日入荷した素材でメニューを作っているお任せコース。ランチはデザート含め全6品を3,500円からいただけて、かなりリーズナブル。今回はディナーにお邪魔して全8品9,500円のコースを楽しみました。
    この日は冷たいハーブティーから始まりました。「lien」はキッチンをシェフ1人でまわしているため、あまり凝ったお皿は見られません。その代わり北海道の旬の食材をメインに使用した、シンプルながら素直に美味しい料理が楽しめます。

    ヒラメのムニエルと毛ガニのリゾット

    ヒラメのムニエルと毛ガニのリゾット

    アミューズとして出てきたのは夏らしいさっぱりとした人参のババロア。やさしく滑らかな味わいで、上には甘エビのマリネとキャビアがあしらわれています。キャビアの程よい塩味がババロアの甘みとよく合い、シンプルながらも洗練された一品です。
    また前菜のスープも感動的でした。朝採れのトウモロコシは甘い冷製スープに。上には積丹(しゃこたん)のウニが添えられています。地元の人から「ウニは積丹のが最高ですよ」と聞いていたので、まさかこの店で食べられるとはと驚きました。臭みが一切なく、滑らかな口当たりが堪りません。
    次いで出てきたカッペリーニにもウニがたっぷり!こちらは余計な味付けはせず、ハマグリの出汁とトリュフオイルのみで味付けした一品。非常にシンプルだからこそ素材の良さが伝わる料理でした。

    後半の2品は自分の好みに合いませんでした

    穴子のパイ包み焼き

    穴子のパイ包み焼き

    しかしその後に出てきた穴子のパイ包み焼きはあまり好みではありませんでした。ソースはトリュフを使ったもので、先ほどの優しく繊細な味付けとは裏腹にかなり濃い目の味付け。パイもかなりボリュームがあって胃が小さい人には食べきるのは難しいでしょう。
    またメインのお肉は牛頬肉の赤ワイン煮込み。フレンチの定番中の定番の調理方法ですが、パスタの後から急にクラシックな料理に変わってしまってびっくり。素材の味を感じてもらいたいならシンプルにローストするのが1番だと思います。味は悪くありませんでしたが食感が微妙で、付け合わせのパクチーのパンチが強く、この2品は自分の好みと合いませんでした。

    牛肉の赤ワイン煮込みはパクチーと

    牛肉の赤ワイン煮込みはパクチーと

    一方デザートはかなりレベルが高く、素晴らしかったです。クリームチーズを使ったチーズケーキはミルク塩アイスと共に。北海道ならではの新鮮な乳製品を使った一品で、しつこさの無い優しい甘さでした。

    狭い店内は難点だが、サービスには満足

    元パティシエ志望なだけあってデザートが美味しい

    元パティシエ志望なだけあってデザートが美味しい

    元々小さなお店というのは前情報で知っていたのですが、実際に「lien」の店内に入るとその小ぢんまりとした空間にびっくり。カウンター2席、テーブル席が10席なのですが、なによりその間隔の狭さが気になります。普通高級店というと席幅を設けてゆったりと食事を楽しめるものですが、ここでは席幅があまりありません。

    しかもコロナ対策でテーブルとテーブルの間につい立てをしてくれる配慮は有り難いのですが、ただでさえ間隔の狭い店内では途中お手洗いに行くのも一苦労。つい立てをいちいちドタバタと動かす必要があって全くスマートじゃありませんし、他の人がお手洗いに立つのも気になってしょうがないです。
    ただ狭いからこそ目が行き届くのか、サービスは全く不満に感じませんでした。むしろグラスが空になるとすぐ新しいドリンクを提案してくださったり細やかな気遣いが有り難かったです。

    データとまとめ

    お茶菓子もレベルが高い

    お茶菓子もレベルが高い

    店名lien(リアン)
    ジャンルフレンチ(フランス料理)
    住所北海道札幌市中央区大通西20丁目3-10 MOR20 1F
    電話番号011-641-4870
    席数12席
    個室無し
    予算ランチ¥3,500~ ディナー¥9,500~
    予約完全予約制
    お店HPhttp://cuisine-urbaine-lien.com/

    名店が揃う札幌でこれだけの人気を誇り維持できているのは、味やコスパの良さだけでなくお二人の人の好さにもあるでしょう。あれこれ指摘しましたが、全体的には心に残る食事を味わえました。(2021年8月訪問)

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