目次
お米の国だからこそ米粉料理が美味しいベトナム料理
ひと昔前になりますが、ベトナムに約1年住んでいた事があります。日本人観光客がやっと旅行先にベトナムを選び始めた頃で、私の住んでいたニャチャンには外国人相手のレストランも数えるほどしかなく、3食屋台で済ます日もしばしばありました。中でもフランスパンを使ったサンドイッチ「バインミー」の屋台では、おばちゃんの作るバインミーが絶品過ぎて毎日食べていた時期もありました。特にニャチャンのフランスパンはしっとりしっかりしていて美味しく、挟まれた肉パテやチャーシューとフレッシュなパクチーに、ニョクマムやチリソースの甘さと辛さが調度良く絡み、ベトナムのビール「333」と一緒に楽しんだものです。
また、ベトナム料理の代表と言えば「フォー」。米粉を使ったヌードルスープです。ベトナムでは朝食や昼食によく食べられる国民食で北部と南部ではスープの味が違います。甘めのスープのフォーを食べていた南部から北部へ引っ越した時に、フォーのスープがさっぱり過ぎて違いに驚きました(結局両方美味しいのですが)。米粉を使った料理はフォーだけでなく各地で姿、形を変えて様々な料理となっています。フエの蒸し米粉「バイン・ベオ」、ホイアンの米粉餃子「ホワイトローズ」や米粉麺「カウラウ」、ハノイのつけ米粉麺「ブン・チャー」など米の国ならではのレパートリーの多さです。そんなベトナム料理は日本人の口にも合うと、日本人を虜にしました。
無添加食材を使用、こだわりのフレンチ・ベトナミーズ
東横線学芸大学駅の商店街の中ほど、四つ角のひとつにカウンターを中心とした小さなベトナム料理店があります。一見オシャレなカフェの様な雰囲気ですが、ランチには待ち覚悟のベトナム料理店です。コンセプトは「NOT VIETNAMESE,BUT VIETNAMESE」。現地の味を再現ではなく、「常により美味しく」を追求されていて、ベトナムの屋台にははないだろう食材のこだわり(笑)が素晴らしいのです。
映画のタイトル「スタンドバイミー」を文字った(?)店名にもなっている「バインミー」に使用されるパンは天然酵母を使い有機全粒粉のみを使用したこだわりのバケット。そのパンに無添加で作られたパテやハム、肉の煮込みとたっぷりの減、無農薬の香草を挟みます。今回は甘辛&酸味の効いた「国産豚バラ肉バインミー(880円)」をチョイス。自家製のばら肉のスライスと自家製ヌクチャムが味のあるパンにとても合い、確かに本場とは違う洗礼されたバインミーに。お店に置いているフランス産ナチュールワインにとてもよく合います。
また、もう一つのこだわりが、国産の「生」米麺。乾麺を使わず、新潟の製麺所から取り寄せている生麺を使用しているので、つるつる&もちもち!現地でもフォーのお店ではもちろん生麵を使用していましたが、それと同じでとてもフレッシュ。
今回オーダーしたのは1日限定10食の「ボブン(1,280円)」。この料理名、ベトナムでは聞いたことがないと思ったら、ベトナム語で「ブン=米麺」「ボー=牛肉」と牛肉麺の事で、なんとフランスではこの「ボブン」という名前が料理名となってパリっ子に人気なのだそう。さすがフランス!センス光る(?)ネーミング。
さて、このお店の「ボブン」は、極細ビーフンに人参と大根のなますやきゅうり、パクチーなどの香草とチャーゾー(揚げ春巻き)と味付け牛肉が乗り、甘酸っぱいタレでいただきます。薬味にはスイートチリソース、ナンプラー、胡麻が用意されお好みでプラス。ベトナムの香りを満喫出来ました。
今回はランチにお邪魔しましたが、夜メニューも生春巻きやベトナム風豚角煮など魅力的で、また豊富なナチュールワインのストックに絶対来ようと決めました。
(2021年2月訪問)
レストラン名スタンドバインミー
ジャンル | ベトナム料理 |
住所 | 東京都目黒区鷹番2-16-23 |
TEL | 03-6451-0827 |
予算 | ランチ880円~、夜3,000円~ |
座席 | カウンター8席、テーブル1(4名席) |
個室 | なし |
予約の可否 | 夜のみ可能(3,000円/1名以上のオーダー必須) |