宮崎県日南市にある城下町・飫肥(おび)。情緒ある武家屋敷が並ぶ中心地には、伝統的な建築物が並んでいます。そんな中、格調高い武家屋敷を改装して作られた築100年以上の古民家の日本料理店がありました。「喜庵 一能(よろこびあん いちの)」さんです。昼夜各3組限定のお店です。
ちょうど3月に入った日、ランチに昼会席3150円というお手頃コースを頂きました。それでも小さいながら個室を用意してくれました。ミニお雛様と花が飾られ、ひな祭りムードです。広い部屋には大きなひな人形も飾られています。
日本庭園には桜の木があるので、桜が満開のシーズンに来れば、花見をしながらの食事が楽しめるのです。その頃はお花見用のメニューが用意されるのでしょう。四季折々の楽しみがありそうです。
八寸は雛人形の形の器に旬のホタルイカの和え物が入り、別の小皿に黒豆金箔かけ。玉子焼きと車海老、栗の渋皮煮、スモークサーモンのクリームチーズ巻き、紅白のチョロギの酢漬けも添えられて、バラエティ豊かなものです。どれもが洗練された丁寧なお料理です。さすがは元帝国ホテル内の「吉兆」で腕をふるって来た経歴のあるご主人の黒木一雄氏です。気さくな女将さんと2人で切り盛りされていて、女将さんも腰が低くて感じのいい方です。お手伝いをしているというちょっと素人っぽい若い女性だけが、愛想なく黙ってお皿を置いていくのが気になりました。せっかく他はよかったのに、そこだけは残念でした。
造りのお皿はカンパチとまぐろが黄色いお皿に美しい盛り付けで、とても新鮮。鰆の西京焼きは味付けが濃くてお酒を飲まないとダメな感じでした。(その日のランチは休肝日)。鴨肉の治部煮と菜の花と里芋の煮物が出た後はご飯です。
プロの仕事はどれもがきっちりした一流の味です。でも京都風というよりは田舎風で、味付けは濃いめ。昼からお酒を飲む方向きかもしれません。
3月からはご飯がひな祭りでちらし寿司でした。ラッキー。デザートはぜんざいに苺が投入されている美味しい一皿。これだけ出て3300円とはコスパが良すぎです。
しかも帰り際には、黒木氏も出て来てくださり、女将さんと一緒にタクシーが出るまで頭を下げての丁寧な見送りをしてくださいました。一流料亭並みの丁寧さに感動したのです。このお店の人気のほどが理解できたのでした。 (2021年3月訪問)
レストラン名 | 喜庵 一能(よろこびあん いちの) |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 宮崎県日南市飫肥5丁目2-41 |
TEL | 0987-25-5551 |
予算 | ランチ2100円~ ディナー約5000円~ |
座席 | 昼夜 各3組のみ |
個室 | あり |
予約の可否 | 完全予約制 |