
宿に一歩足を踏み入れると歴史を感じさせる建物内部が

自家源泉の湯が引かれた室内風呂
小樽の港や町を見下ろす海抜60mの高台に建つ「銀鱗荘」。140年以上前に建てられたニシンの大網元の屋敷だった「ニシン御殿」を改装してできた宿なのです。外観は貫禄があってユニークな建築です。北海道文化財100選にも数えられる古文化財の格式ある邸宅なのです。
昭和61年に大改築、同時に温泉を掘って、「平磯温泉」と呼ばれる豊かな泉質の自家源泉の大浴場と露天風呂を作りました。大浴場は広く、露天風呂も大きくて心地がいいものです。ただし温泉の湯が塩分を含むので、アトピーがあって肌荒れしていた私にはピリピリ滲みて、背中から首にかけて赤く腫れてしまいました。温泉でいつもアトピーが治るので、逆のケースもあるのだと知りました。

絶景が楽しめるお食事処
客室は本館7室、新館7室の計14室あります。私たちが滞在したのは本館の1室「銀嶺」です。ゆったり広い和室に布団を敷く純和風のお部屋です。
最近高級旅館でよく見かけるこだわりのマットレスなどとは無縁のような普通の布団だったので少しがっかり。寝心地に響くので、やはり良い寝具が欲しいところです。
部屋のお風呂は広めの温泉です。一度に3人は入れそうな大きいお風呂です。海のような海藻のような臭いがしました。海も近く湯に塩分が含まれているせいでしょうか。
和室もお食事処は広くて、飾り物も豪華で情緒があります。海の眺めも素晴らしいものです。

やっぱり小樽の寿司は美味しい!
小樽と言えばお寿司!というほど小樽での食事に寿司は欠かせません。シーフードはどれもが新鮮で美味しいのですが、お食事のご飯のところでお寿司が出たのは嬉しいものでした。
印象に残ったメニューは鮑の陶板焼き。バターで香ばしく焼かれたアワビは驚くほど柔らかくて美味しいものでした。後はお造りの新鮮さ!ボタンエビはプリップリ!ニシンも生で食べられたのに驚きました。さすがはニシン御殿!!お寿司は本鮪に穴子、甘エビにイクラ、曽以などどれもが安定の美味しさで、小樽の夜を楽しめたのです。
スタッフは年配の方も多く、サービスそのものも良くて、小樽ビールをはじめ冷蔵庫のソフトドリンクもフリーだし、気が利いています。でも、あとプラスアルファの魅力があれば、高級旅館と呼ぶにふさわしい評価を得られるはずです。
驚いたことに、2018年から家具メーカーの「ニトリ」がこの宿の運営を開始したということです。徐々にモダンでプラスアルファの魅力ある宿に生まれ変わっていくのではないかと密かに期待しています。 (2021年4月訪問)
旅館名 | 銀鱗荘 |
住所 | 北海道小樽市桜1-1 |
TEL | 0134-54-7010 |
お風呂 | 大浴場 露天風呂 |
予算 | 2名1室利用の場合 1人15000円~(2食付き・風呂なし) |
露天風呂付客室 | あり |