博多駅直結の「JR博多シティ」の9階。レストラン街でありながら本格的なフレンチが食べられるお店「オーグードゥジュール メルヴェイユ博多」があるとのことで、今回せっかくなので立ち寄ってみることにしました。
シェフはかつて「ウィンザーホテル洞爺」の「ミシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」で腕を振るった料理人。21世紀のフランス料理界を代表する3つ星シェフ、ミシェル・ブラスは自然から料理を創作する料理人と称され、花を散りばめた美しい盛り付けが特徴的。ここ「オーグードゥジュール メルヴェイユ博多」もミシェル・ブラスの料理と同様に、華やかで一風変わった見た目の料理が多い印象です。
店内は洗練されたオシャレなデザイン。とても駅ビルに入っているレストランとは思えない雰囲気で、しかし肩ひじ張らずに過ごすことが出来ます。ミシュラン1ツ星を持つこのお店はどうやらかなり繁盛しているようで、予約なしで来たお客さんに「申し訳ございません…」とお断りをしているシーンも。訪ねたのがちょうど日曜日だったこともあると思いますが、もしこちらで食事をする際は混雑を見越して予約をして行った方が無難かもしれません。
さて、では肝心の料理の方はと言うと、残念ながら私には「微妙」としか言えない味でした。
まずはアミューズが3皿。パテドカンパーニュやトリュフサブレ、イソギンチャクのベーニエなど数種類のアミューズがどん!とテーブルに並びます。一見すると豪華ですがどれも印象に残らないぼんやりとした味。特に私が受け付けなかったのが太刀魚のカルパッチョ。甲殻類のジュレと一緒にいただくのですが、これが生臭さを助長させています。こういう鮮魚にはトマトのクリアジュレなどを合わせて生臭さを打ち消しつつ、サッパリといただくのが一番スタンダードで美味しいのに…。パテドカンパーニュもなんだかパサパサしていて味わいに欠けます。
次いで出てきたのは前菜のフォアグラ料理。牛テールと卵と合わせたフォアグラは、コロッケとして登場。しかし「フォアグラ」とメニューで堂々と謳う割にはフォアグラの風味はほんの僅か。リンゴのピューレの主張が強く一緒に食べるとピューレの味に負けてしまいます。これならばいっそソースの味を薄くするかフォアグラなんて使わなければいいのにと感じました。と言っても同行者は別に悪くなかったと言っていたので、こればかりは好みもあるかもしれません。
ここまでかなり厳しい感想が続きましたが、しかしアオリイカとアスパラのオードブルはかなり完成度が高かったように思います。新玉ねぎの甘みが感じられるピューレとイカ墨の泡のソースは相性抜群。泡の下に隠れたアオリイカの旨味も強く、アスパラのフレッシュさが際立ちます。
またメインの牛頬肉のワイン煮も悪くなかったです。お肉は歯が要らないくらい柔らかく、ニンジンのペーストとカラフルなお花と共にいただきます。見た目にも美しい料理は女性なら思わず「わあ…っ」と声を上げてしまう可愛らしさです。
アミューズと前菜がイマイチだったのが残念でしたが、その後の料理はそれなりに美味しく、駅ビルフレンチとしてはかなりレベルが高かったです。ただお皿によって出来に振り幅があるのはレストランとしてあまり良いとは言えません。シェフが不在だったのか分かりませんが、奇をてらわない前菜が食べられたらもっとよかったのにと思いました。(2021年5月訪問)
レストラン名 | オーグードゥジュール メルヴェイユ 博多 |
ジャンル | フレンチ/フランス料理 |
住所 | 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 JR博多シティ 9F |
TEL | 050-5589-8172 |
予算 | ランチ¥3,900~ ディナー¥9,300~ |
座席 | 18席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 予約可 |