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温泉好きの私ですが、中でも立ち湯は特に好みです。立ったままたっぷり深い湯に浸かれるのは、浅いお風呂に入るのと比べものにならない程リラックス効果があります。特に目の前の緑いっぱいの景色が癒されるものだと、もう至福のひとときです。
そんな立ち湯があるのが、松本市内から車で30分ほどで行ける扉温泉の「明神館」です。標高1050ⅿの国定公園の山間に佇む珍しい一軒宿。それが世界でも認められる「ルレ・エ・シャトー」のメンバーにもなっている洗練された宿なのです。昔、一度泊まりに来て、他のことは忘れたけれど立ち湯のことだけは印象に残っていました。久しぶりにここの立ち湯を満喫したくてまた再訪したのでした。さて、お宿は変わっていたのでしょうか??
半露天立ち湯が人気の山の湯
自然の中に佇む宿は、10年前くらいに来たときとは色々変貌を遂げていました。2019年にオープンしたスタイリッシュな「然ZEN」というカテゴリーの部屋が5室。2021年新登場の「然 SPA LIVING」というのが4室増えて、合計43室の大型の旅館になっていました。お風呂は大浴場、立ち湯と寝湯がそれぞれ別の場所にあって、いろいろ入りに行けるのが楽しみです。もちろん私の泊まった「然ZEN」の部屋には室内に大きな露天風呂があったので、まさに温泉三昧の滞在ができました。
大浴場はそれほど大きくはないものの男女別に内風呂と露天風呂が2つずつ。
大浴場とは別の場所に独立して存在する立ち湯は以前のままの素晴らしさに感動。もちろん男女別に1つずつあって、「雪月花」と名付けられたお風呂は、わさび沢の渓谷側に開かれた半露天。目の前の自然美と一体感があります。立った姿勢で胸まであるお湯は美肌を作る効能のある湯で、循環器を整え血行も良なるとか。早めにチェックインしたおかげで、他のゲストが入りに来る前に立ち湯を独占できたのは最高でした。客室が多いので、混雑する時間は避けるのがポイントです。
眺めを楽しみながら立ち湯に浸かっていると、すぐ下の方で渓流がザザーと音を立てている姿も、すぐ横に小さな鳥居が立っているのも見えました。
「ルレ・エ・シャトー」にも加盟。全世界にも信州の温泉を発信
もともとフランスの古城ホテルなどを中心に豪華で格式のあるホテルだけが加盟できるチェーンだった「ルレ・エ・シャトー」。近年はエレガントなホテルや日本の旅館なども、選ばれてメンバーになるところが増えています。
パリに本部を置き、世界60カ国以上、約530のホテル・レストランが加盟しているこのルレ・エ・シャトーに、2008年、本物を提供する日本の旅館としてこの「明神館」も世界に認められ、メンバー入りしたのです。世界の名門ホテルなどと共に、日本を代表するホテルや旅館として世界中にその名を知られることとなりました。信州の山深い隠れ家のような場所に佇む一軒宿が、その素晴らしさを世界に発信しているのです。
おすすめはスタイリッシュな新客室「然ZEN」
私たちが泊まったのは「然ZEN」のカテゴリーの部屋です。「ありのままで」というのがコンセプトとなっています。高取邦和氏と前田大作氏がデザインされ2019年にオープンしたスタイリッシュなお部屋です。72㎡の広々とした空間で、非日常体験にふさわしいインテリアは通常の温泉旅館では見られない斬新なもの。バスルームやパウダールームの広さは驚くほど。テラスに20㎡の寝湯も付いた大きい露天風呂があるのも魅力です。
快適なSealy(シーリー)ベッドが置かれ、寝ながら電動でブラインドの上げ下げもできる便利さ。スタイリッシュである反面、ソファがなくて大きなクッションで床で寛ぐスタイルだったり、あえてテレビを置いてなかったり、使い勝手の面で評価が分かれるところでしょう。全5室あって、別の部屋は59㎡のものもあります。私の泊まった熊野の部屋312号室は2番目によい部屋でした。
個人的にはこうした広いスペースが2-3の部屋に分断されず、一つの部屋としてつながりがあるのが好みで、とてもリラックスすることができました。
この旅館の新しい良さを満喫するにはこのお部屋が断然お薦めです。
他にも部屋のカテゴリーがたくさんあって好みで選べる
「然ZEN」のカテゴリーにも2021年新たに登場したのが4室ある[SPA LIVING」のカテゴリーです。70㎡でこちらも広く、お洒落なところはZENと同じで、ソファがなかったりテレビがなかったり、コンセプトは似ています。落ち着いた畳の間にSealy(シーリー)ベッドを配置しています。でも露天風呂は付いておらず、部屋風呂のみとなります。しかもそれがリビングの中央に備えられた白い浴槽というユニークさにはびっくりすることでしょう。
他にも「青龍庵」という60㎡のカテゴリーが4室。洋室プラス露天風呂か半露天風呂が付いています。癒し風呂や大きなジャグジーバスの付いたヒーリングバスのあるお部屋もあります。和風が好みなら、全く異なる趣向の純和風のお部屋「山科」というのもあります。
値段面で最も安いのは、「お鷹棟」のカテゴリー。12室の洋室と12室の和室があり、いずれもユニットバスのみ付いています。ユニットバスでも温泉が出ます。やや老朽化しているのが問題ですが、低予算で泊まって立ち湯などの温泉を楽しむと割り切るならそれもいいでしょう。
ちなみにこの宿には本格的アーユルヴェーダのサロンもあるという充実ぶりです。
美味しい料理と大活躍ソムリエさん
ディナーは日本料理とフレンチから選べて、ソムリエも数人常駐しているので本格的です。日本料理のレストランの方にもソムリエさんがいてワインのペアリングも設定されているので楽しみです。
ソムリエの栗原さんは、私たちがホテルに到着した際に出迎えてくれ、部屋に案内して色々説明をしてくれた有能な方。日本料理をチョイスした私たちが行った2階のレストランでもソムリエとして様々なワインの話をしてくれて、料理も運び、まさにオールマイティに大活躍!!賑わう食事時、なるべく他のゲストから離れて座れるように、隅の方の落ち着く窓際のソファの席をキープしておいてくれたのです。本当に気が利く方です!
フレンチが出されても似合うようなお洒落なレストランのテーブルで日本食を気軽に頂きます。浴衣でも私服でもどんなスタイルもOKというので、いろんな格好の人がいます。私たちも浴衣でのんびり寛ぎます。
ペアリングは3杯の設定を、量を減らして4種類楽しめるように、これも栗原さんの提案でした。他のスタッフも皆さんサービスが感じよく、ホスピタリティも知識もある方ばかり。オープンキッチンの中にいる料理人4-5人も横を通って入店する際も、帰り際も声を揃えて挨拶してくれたのです。
料理の味もすべて安定した美味しさで、驚くようなものはなくてもどれもが満足の味わいでした。とりわけ最後の方に出た野沢菜素麺がさっぱりして良い出汁で、やけに美味しかったです。
宿データ
旅館名 | 扉温泉 明神館 |
住所 | 長野県松本市入山辺8967 |
TEL | 0120-37-1810 |
アクセス | JR松本駅から車で約30分(送迎バスサービスあり) |
予算 | 2人1室利用の場合 最安値の部屋 1人29000円~(2食付き) おすすめの「然ZEN」 2名1室利用の場合、39000円~。部屋ごとに、またシーズンで料金は大きく異なります。 |
まとめ
いかがでしたか?普通の温泉宿とは一線を画したスタイリッシュな部屋に泊まり、素晴らしい立ち湯を体験してみませんか?温泉通に慣れること間違いなしです!