「ふふグループ」のお宿の魅力はなんと言っても、美しい自然とモダンな建物の調和にあるでしょう。「ふふ河口湖」「ふふ奈良」、そして同じくガトーレジャーグループのチェーン「熱海 海峯楼」には泊まったことがありますが、2020年10月オープンの「ふふ日光」に泊まるのは初めて。日光東照宮から歩いて15分ほどの距離にあり、田母沢(たもざわ)御用邸内の豊かな自然の中に建つこのお宿はリラックス出来る環境が整っています。
今回私たちが泊まったのは「ふふ ラグジュアリーコーナースイート」という76㎡の広々としたお部屋。3人での宿泊の場合このランク以上のお部屋でないと泊まれないそうです。一番安いスイートは「スタイリッシュスイートツイン」というお部屋で、56㎡となっています。また全てのお部屋に自家源泉の温泉風呂が付いているので、人目を気にせずのんびりお風呂を堪能できるのも嬉しいポイントです。
お部屋に入って真っ先に目につくのが小上がりになった畳スペース。大きな窓に接するように備え付けられたこの一画からは、青々とした御用邸の自然が一望できます。リビングにあるソファもゆったりとしていて、大人がゴロンと横になっても余りある大きさです。
そして私がこのリビングスペースで特に気に入ったのが蓄音機の形をしたスマートスピーカー。Bluetoothに接続することなく、スマホを差し込むだけで優しい音色がお部屋に響くという優れものです。大きなソファで横になりながら美しい景色を眺めていると、お気に入りの音楽が流れてくる…まさに理想的な滞在です。お部屋のお風呂も大きく、大人2~3人が入れそうなほど。勿論お風呂の窓ガラスからも御用邸の青々とした木々が見えるので、日が暮れないうちに一度浸かってみるのがオススメです。
そして私が他の「ふふ」と比べて素晴らしいと感じた点の1つに、ユーティリティBOXの存在があります。これは今までになかった新しいサービスで、外に面した棚に使い終わったタオルを入れておくと、新しいタオルに取り替えてくれるという便利なサービスです。従来ならタオルが無くなると都度フロントに電話をして持ってきてもらうというスタイルでしたが、これなら手間もかかりませんし、従業員と直接対面する必要も無いので感染症が心配されるご時世でも安心です。
また「ふふ奈良」は大浴場はなく貸切露天風呂のみで、「ふふ河口湖」は大浴場はあるものの印象に残らない内風呂しかありませんでした。そのため、ここ「ふふ日光」は景観の素晴らしい大浴場と露天風呂があるのも評価したいポイントです。川のせせらぎに耳を傾けながら、すうっと肌を撫でるそよ風…まるで深い山の中にいるような心地を味わえます。
そしてお風呂でのんびりくつろいだ後には極上のディナーを。日光だからこそ味わえる地産の食材を使用した料理は、一つ一つ味わい深く、やはり私が泊まったどの「ふふグループ」の宿よりレベルが高かったです。特に朝食がユニークで、豚汁風の熱々の味噌汁や豆腐にグリーンカレーをかけるエスニック風の一品など、他では味わえない料理が食卓を彩ります。
『「ふふ」は一つとして同じものはありません』
「ふふ」のホームページに書かれたこの言葉。その土地の持つ魅力を最大限に味わえるようなお宿は、なるほど確かにどれも個性豊かでそれぞれのストーリーに満ちています。しかし「ふふ日光」はその中でもとりわけ快適な空間を私たちに提供してくれる特別な場所なのです。(2021年7月訪問)
旅館名 | ふふ日光 |
住所 | 栃木県日光市本町1573-8 |
TEL | 0288-25-5122 |
お風呂 | 大浴場、露天風呂有り |
予算 | 2名1室利用の場合、1人当たり1泊¥42,350~(2食付き) |
露天風呂付客室 | 全室温泉の内風呂つき |