JR静岡駅から徒歩5分ほどという便利な立地に日本料理の名店があります。その名は「日本料理 FUJI」。お店の名前はこちらの店主藤岡雅貴氏から取られたもの。でも静岡だから富士山のFUJIとも取れるいいお名前です。12時がお昼の一斉スタート。カウンター7席が平日のお昼なのに満席です。個室もあるようですが、こうしたオープンキッチンで大将が料理して仕上げを見せてもらえるお店なので、断然カウンターが楽しいのです。
お昼のコースは5000円の1コースのみ。カウンターの向こうの端に座っていた女性2人組は1人がバースデーの記念ランチのようで、デザートがサプライズのスペシャルプレートでした。若い女の子でも食べに来やすいランチの料金設定はコスパが良くて素晴らしい!
藤岡さんは7年前29歳の時にお店をオープン。よくある地元で親のお店を継いで…というのとは違い家族経営でも何でもないお店だそう。スタッフも皆さん「赤の他人」(笑)とおっしゃるのですが、それにしてはチームワーク抜群で、「とびきり仲の良い他人」のようです。アシスタントの女性も動きがてきぱきしているし、サービス係の女性も感じよく、皆さんスムーズで見ていて気持ちがいい手際の良さです。
大将と呼ぶには若くて童顔な(ごめんなさい)藤岡さん。若くしてやり手というのは確かですが。アシスタントさんたちをうまく使うことで余裕ができて、お客さんとカウンター越しに会話がたくさんできるようにと、うまく考えておられると感心しました。今までに伺ったお店で経験したことですが、一人ですべてをシャカリキになってやらないといけない大将は機嫌が悪くて感じ悪く最悪だったことがあります。やはり料理が美味しいだけではなく、説明をいろいろ聞けて、他の雑談もできるのが、ゲストにしてみれば一番楽しみで記憶にも残るのです。その点でもこのお店は最高でした。
ランチで5000円のコースということで、最初はあまり期待せずに行ったのですが、その予想は見事に外れたのです。どれもが絶品料理の数々で大満足。
夏らしく最初はトウモロコシのすり流しから。吉田町のミライというトウモロコシは糖度18度と甘いけれどあっさりして雑味なし。素直に美味しい1品。次に出たハマグリの飯蒸しは、蛤の出汁ともち米を合わせたもの。(冒頭の写真)調味料など一切使わずハマグリの持つ旨味だけでこれほど美味しいとは!本枯節(まぐろ)と鰹節で目の前で2種の削り節を作ります。昆布出汁に入れて出来た一番出汁をひと口味見させてくれました。
その優しく美味しい出汁を使ってお椀を作ります。新鮮で食感も抜群のメバルと焼き茄子に優しい良い出汁が加わり、最高のお椀が出来上がりました。
次は大根おろしと刻みネギだけで臭みのないシンプルなもちガツオの刺身です。このお店も有名なサスエ魚店の仕入れだそうで、ネタの良さに納得です。深海魚イシナギの炭火焼きが出て香ばしいイチジクの胡麻和えで口直しをしたら、揚げ物の登場。金目鯛とオクラのおかき揚げ、あんかけ。食感も食材も変化に富んでいて飽きさせないのがすごいです。
炊き立てコシヒカリのお食事が済んだのに、〆のラーメンまで出してくれました。奄美しゃも入り。お腹いっぱいなので少しだけ頂きましたがこれまた美味しい。ラーメン屋さんもできそうです。
デザートは出来立てのわらび餅です。目の前であれこれしゃべりながら器用に作られます。これがちょうどいい柔らかさでまさに絶品。わらび餅屋も開けます!!
若いからバイタリティがあるのか、日本料理だけにおさまらずにラーメンを作ったり、バラエティ豊かに、しかも一切の手抜きなくゲストを楽しませる藤岡さん。ホスピタリティも一流なので、お店の常連さんが多いのも納得。絶対またすぐにでも来よう!と思わせられるお店に出会ったのでした。
(2021年7月訪問)
レストラン名 | 日本料理 FUJI |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 静岡県静岡市葵区栄町3−6 |
TEL | 054-260-5166 |
予算 | ランチ 5000円のコースのみ ディナー 10000円のコースのみ |
座席 | 17席(うちカウンター7席) |
個室 | あり |
予約の可否 | 予約可 |