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    レ・トネル ぶどうの木(フレンチ/金沢市/石川県)~劇場型レストランの演出に魅了

    ぶどうの木 ラ・トネル
    ぶどう畑を眺めながら気持ちのいいランチタイム

    ぶどう畑を眺めながら気持ちのいいランチタイム

    皆さんはミシュランガイドで「グリーンスター」という新基準が2020年に登場したことをご存知ですか?産地や生産者が見える料理、フードロスの削減、森林活性化に寄与、環境に配慮する生産者の支援、絶滅危惧種の保護など、料理の美味しさとは別枠でサスティナブルな貢献をしているお店に与えられることとなった評価です。石川県ではこのお店「レ・トネル ぶどうの木」が2021年北陸特別版2つ星とグリーンスターに評価されました。金沢市内の外れにあるこのお店。「株式会社ぶどうの木」が同じ敷地内にぶどう畑、ウェディング会場やカフェ、ケーキショップ、イタリアンなども展開しています。一体「レ・トネル ぶどうの木」がどういう理由でグリーンスターを獲得したのでしょうか?今回は実際ランチに訪れてわかったこのお店の魅力に奥深く迫ってみようと思います。  (2021年9月訪問)

    ユニークで楽しい劇場型の演出とは?

    シェフがスープを注いでくれて完成のじゃがめん

    シェフがスープを注いでくれて完成のじゃがめん

    レストラン「レ・トネル ぶどうの木」はエレガントで広々とした店内が優雅な雰囲気です。日本を代表する建築家である坂茂氏の設計によるドーム型の紙管温室を採用。農園やぶどうの木々が見渡せ、なんと店内にもぶどう棚があり、本物のブドウの房もぶら下がっているのです。
    驚くのはインテリアが紙製であること!!椅子もテーブルも紙でできた固い筒状のものが組み合わせて造られています。すっきりお洒落なインテリアで、これが紙とはユニーク。

    本日の魚料理はシャドークイーンの下にあります

    本日の魚料理はシャドークイーンの下にあります

    ブドウ畑でピクニックの気分で端のテーブルから厨房のカウンターへ移動し、最後メインテーブルへ向かいながら食事を楽しむという、劇場型の演出が飛びぬけて楽しい趣向です。しかも広々とした店内でたったの2組限定。
    12:30スタートのランチは9皿ほどの10000円のコースを頂きました。先に来ていたカップルはすでにかなり進んでいて、途中から我々だけとなりました。ミシュラン2つ星、ゴエミヨ15.5という高評価のお店で、広々とした空間もシェフもソムリエも独占するという贅沢な時間だったのです。

    ひとつひとつに物語がある、そんな料理に魅了

    この箱にアミューズが入っています

    この箱にアミューズが入っています

    能登出身のシェフ砂山利治氏はスイスやフランスで研鑽を積み、最北部のカレーに近い「グルヌイエール」ではスーシェフをされたそうです。デザートとパンを担当するのがシェフパティシエの岸本亮氏。2人でやっているから余裕があるのか、それぞれが最高レベルに素晴らしいのもさすがは2つ星店です。料理ごとに異なるパンが出されるのも凝っています。
    入店して最初のテーブルでは、ぶどうの木らしく、初めのひと口用に種なしぶどうが出されました。そして2つのアミューズと3つ目のアミューズのメニューが不思議な形の紙の箱に入って登場。糖度20度という「おおもの」というトウモロコシのアイス。ビーツで作った赤いソーセージに見立てた「ブーダン・ルージュ」は網油に包んでブーダンに見せかけたもの。

    シェフのメッセージ付き物語のある1品

    シェフのメッセージ付き物語のある1品

    次はオープンキッチンのカウンターへ移動。シェフがスープを温めて待っていました。「じゃがめん」と呼ばれるメニューはノーザンルビーのジャガイモで作られた細いヌードル。キジや椎茸、ハマグリで作られた滋味深い熱々スープをかけ、熊肉のラグーを載せます。あー美味しい!
    この後、庭に面したメインテーブルへ移動し、食事の続きが始まります。まずは別メニューに説明がある、シェフの思い出が詰まった一品。能登のおじいちゃんのかき餅におばあちゃんの採ってくれた岩海苔。フランスで兄と慕っていたシェフのフォアグラを塗ったバゲットが一体となったスナックは心をぽっかり温かくしてくれました。

    美味しい、楽しい、新しい

    野菜の納品書付という設定も楽しい

    野菜の納品書付という設定も楽しい

    次のメニュー「庭師 高田ラボ」はとても楽しい趣向に驚きました。植木鉢にたくさんの野菜が植えられています。もちろん土ではなくて食べられる食材で出来ています。燻製にした卵黄とポン酢ジュレが盛り付けてあるお皿に、自分で野菜の採集をします。庭師高田ラボ山からの納品書がテーブルに届くと、水菜や金時草、空心菜などと10種の野菜名が記載されています。面白くてヘルシーでもちろん新鮮で美味しい、最高の趣向です。
    「ブロッコリー」と書かれたメニューは片面だけ香ばしく焼いた岩ガキブロッコリーのムースと酸味を付けたみじん切りの赤玉葱をかけていただきます。
    「シャドークイーン」は紫ジャガイモをカリカリのせんべいの天井に見立て、その下に炭火焼きのヒラメが。ビジュアル的にもユニークです。

    自分で収穫して盛り付けてみました

    自分で収穫して盛り付けてみました

    お口直しはトマトだけを使ったアイスです。一週間発酵させたトマトと皮のパウダーを使い、爽やかさが口の中をリセットしてくれました。「オクラ」とメニューに書かれたメインはイノシシのローストです。オクラを刻んでトロトロにしたものに豚足を加えたソースをかけて。全く臭みもなく柔らかくて美味しいお肉でした。
    和梨、黄桃を使ったデザートも凝ったものでしたが、最も印象に残った美味しいデザートはミニャルディーズ2種のうちのきんつば風の1品でした。きんつばみたいにあんこが入っていてパイで包んだ熱々の焼きたては、お腹いっぱいなのにお替りしたくなるほど感動的でした。
    料理ごとにブリオッシュやバゲットなどなど違うパンが出されて、食べきれなくて残してしまったので、スタッフの方に謝ると、「うちの残った食材はすべて堆肥にして農作物に使いますから、気にしないで残してくださいね」とのこと。循環していて素晴らしいお店なのです。

    ぶどうの木が果たすサスティナビリティとは?

    カトラリー入れも紙製。可愛い!!

    カトラリー入れも紙製。可愛い!!

    かつて水田だったこの場所を畑に変え、葡萄の木々を植えて環境にやさしい農園経営をていねいに続けてきたぶどうの木は創業40年を迎えるそうです。2年前に始めた「ラシェット計画」とは、フランス語でお皿を意味するラシエットでもわかるように、お皿をイメージした円形の農園を作り、その中で再生可能な循環を生み出すことを目的としているそう。

    よく見ると椅子もテーブルも紙製!

    よく見ると椅子もテーブルも紙製!

    レストランの食品ロスなどを防ぐため、余ったもの、残されたものは堆肥にして農場で使用しています。環境保全のために捕獲されたイノシシはジビエにしてソーセージなどに加工します。
    またお菓子作りの際に出たケーキの端っこなどは価値ある素材として、「Hazico(ハジコ)」シリーズとして生かしているそうです。これほど環境にやさしい、色々考えているぶどうの木がミシュランの2つ星だけでなくグリーンスターを獲得したことは素晴らしいと感動しました。これからもこうしたお店こそ真に評価されていくべきだと感じました。

    お店のデータとまとめ

    ミニャルディーズの焼きたてきんつばとフィナンシェ

    ミニャルディーズの焼きたてきんつばとフィナンシェ

    お店のデータ

    店名レ・トネル ぶどうの木
    住所石川県金沢市岩出町ハ50-1 ぶどうの木本店敷地内
    電話076-258-0204
    予約昼夜共、完全予約制
    席数8席(昼も夜も2組8名までに制限)
    個室なし
    予算ランチ・ディナー共 お任せコース 10000円~
    ベジタリアンコースもあり
    お店のwebサイトhttps://lestonnelles.budoo.co.jp/jp/index.php

    シェフの砂山さん(左)とシェフパティシエの岸本さん

    シェフの砂山さん(左)とシェフパティシエの岸本さん

    まとめ

    これほど創作性があって、ゲストを楽しませるレストランが日本にいくつあるでしょうか?まるで劇場で最先端をいくショーでも見ながら食事をしているような、ワクワクする趣向が山積みです。美味しい料理だけでなく、思い切り楽しいレストラン、金沢に行く人は絶対行った方がいいですよ!!

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