滝乃家旅館(登別温泉/北海道)～私の大のお気に入り旅館

美しい中庭

今まで日本全国津々浦々、様々なホテルや旅館に宿泊してきた私。これだけ行っているとよく聞かれるのが「1番好きだった宿はどこ？」という質問です。特にラグジュアリーな宿が好きでよく泊まっているのですが、私が必ずと言っていいほど挙げるのが、「滝乃家旅館」という北海道登別にある温泉です。

私の大のお気に入り旅館 滝乃家

お部屋についていた露天風呂

いろんな旅館を泊まり歩くため基本的に同じ宿に二度泊まることは無いのですが、「滝乃家」はかれこれもう3回目。普通1回目に訪れた時の思い出が良いほど期待値が跳ね上がり、次に行った時「あれ？なんか前回ほど良いと感じないな」となるものですが、「滝乃家」は毎回その期待値を上回ってくれるのです。

“玉だれ”という名前のお部屋

「滝乃家」があるのは登別温泉の温泉街。周りには他にも温泉宿が軒を連ねているのですが、そんな雰囲気を全く感じないほど静かです。また造りが良いので、部屋やお風呂からは温泉街とは反対側の、美しい自然の景色が広がります。その静けさと景観からまるで大自然の山の中に建っているような感覚に陥るのが「滝乃家」の凄いところです。
また細部にいたるまでサービスが行き届いているのが素晴らしい。他の旅館と同じく「滝乃家」でも勿論備え付けの浴衣というものが置いてあるのですが、なんと全部のりが付いていて、まるで新品のようにパリパリ。流石にここまでしてくれている旅館は全国探してもそう無いはずです。

滝乃家の温泉

最上階の露天風呂からは北海道の自然が

登別では約9種類の泉質が楽しめるのですが、ほとんどの宿が持っている泉質は1種類か、多くて2種類。そんな中で「滝乃家」は食塩泉、鉄泉、ラジウム泉、硫黄泉の4種類も楽しめるというから驚かされます。
お風呂は最上階の露天風呂と、地階にある大浴場の2つから成ります。特に私が好きなのはこの最上階の露天風呂「雲井の湯」で、食塩泉と鉄泉のお風呂です。まるでインフィニティプールのように向こう側に広がる緑を遮ることなく楽しむことが出来、一つの絵画のように美しい景色が広がります。開放感抜群で静かなこのお風呂では、聴こえてくるのは風で揺れる木の音と近くを飛ぶ小鳥の鳴き声のみ。ついつい長風呂をしてしまいそうな気持よさです。

そして地階にある大浴場と露天風呂についてももちろん趣があります。ラジウム泉と硫黄泉を引くこちらのお風呂は、お湯が濁っているのが特徴。露天風呂は森を切り拓いたかのように緑に囲まれた空間で、ごつごつとした岩のお風呂も味があります。

滝乃家絶品の料理

見た目も美しい懐石料理

そして「滝乃家」を語る上で外してはならないのが、料理の美味しさです。北海道の最高品質の食材を使用した懐石料理は、洗練されていて創作性もあります。
普通旅館では料理長は一人だけというのがスタンダードですが、「滝乃家」では料理長の他にシェフまでいらっしゃって、メインのお肉やデザートを担当しているのです。
料理長の笹渕氏とシェフの鯉渕氏。私は勝手にこの2人を「渕渕コンビ」と呼んでいて、お品書きの後ろに2人の名前が並んでいると「良かった！まだ現役でいらっしゃった！」とほっとしています(笑)

デザートはフルーツのカクテル

特に「滝乃家」の定番メニューである馬鈴薯餅や510日間寝かせたジャガイモのじゃがバターが最高で、他では味わえない美味しさ。全体的にレベルが高い上に、メニューに書いていない品をサービスで出してくださったり、やっぱり他とはサービスの質がちょっと違います。
またメインは牛肉か蟹で選べるのですが、シェフの料理を味わいたいなら牛肉を選びましょう！(蟹はシンプルに茹でたやつなので)私はシェフの作るソースが常々天才的だなと思っていて、今回は夏らしくトウモロコシのソースと合わせていました。またアクセントに生姜を加えていたり創作性もバッチリです。

登別ではクマ牧場に行きたい！

2本足で立ち上がるクマが可愛い！

登別温泉街からロープウェイで7分ほど上がった山頂に「クマ牧場」という施設があります。約100頭ものヒグマを飼育していて、餌やりなどを体験出来る場所です。
登別温泉街にこれと言ってレジャー施設が無いため、たまたま訪れた場所だったのですがこれがめちゃくちゃ可愛い！

特にユニークなのが「人のオリ」と書かれたコーナー。人間が檻の中に入っているような構造になっていて、クマが分厚いガラス越しに私たちを取り囲んでくれます。外へと繋がるパイプに餌を入れて押し込むとそのままクマたちが餌を食べられるようになっているのも楽しい。餌を求めて後ろをついてくるのが可愛くて何度も追加で餌を購入してしまいます。
また「第2牧場」と書かれたコーナーには愛嬌たっぷりのメスのヒグマがいっぱい。今度は下にいるクマに向かって餌を投げるスタイルなのですが、餌を貰おうと2本足で立ち上がったり、おかしなポーズをする子までいてずっと見ていられます(笑)

データ

まとめ

“玉だれ”にはダイニングスペースもあります。

初めて「滝乃家」に泊まってからと言うもの、すっかりファンになってしまい3年連続で訪れている私。ご飯が美味しい宿やお部屋が広くて綺麗な宿は探せばいくつもありますが、お風呂・食事・サービスの三拍子揃った宿はなかなかありません。「滝乃家」は間違いなく、自信をもってオススメできる旅館です。(2021年8月訪問)