
アミューズ3品。向こうの端のがジオラマ
盛岡市の繁華街のひとつ菜園、盛岡駅からは徒歩15分のところにこのお店はありました。ひっそりと目立たない場所に佇むシックなエントランス。そこに描かれていたのは可愛い鹿のマーク!店内は天窓から光が差し込みブルーとグレーの内装が素敵な特別の空間を作っていました。
2015年にオープンしたお店はシェフとマダム2人で切り盛りされていて最大6名のお店です。10月のある日の13:00、ランチにお邪魔した際は我々だけで貸し切りでした。8皿8500円のコースを頂きました。ここではアルコールもノンアルコールもペアリングを付けるのが決まりです。はたして料理はどんなものだったのか、ペアリングについてもレポートしたいと思います。
鹿澤シェフの食材へのこだわりとは?

店内のお洒落な空間
鹿澤シェフの料理が高い評価を受けている理由の一つに、食材へのこだわりがあります。盛岡出身のシェフは地元岩手の食材を使っておられます。震災後、復興支援のために沿岸部で多くの漁師さんと出会い、様々な生産者さんとの出会いがあったそうです。
イタリアで本場の料理を学んだことでも、土地に根差した料理を作ることの大切さを学んだとか。だから岩手県の旬の食材にとことんこだわるようになったのです。

食材だけ記されたシンプルなメニュー
最先端のイタリアンに固執せず、昔から親しまれてきた郷土料理などからヒントを得たり、良い景色や場所からインスピレーションをもらうことが多いとか。目の前にある食材をどのように組み合わせていくか、イメージを膨らませていく過程が楽しいそうです。まるで少年がプラモデルを作っているようなワクワクした気持ちをシェフは料理する時に感じているのでしょう。だからこそ独創的で食べる者の気持ちが躍るような料理が出来上がるのです。
ペアリングの頼み方はフレキシブル

陸前高田の神田葡萄園さんのワインも
最初電話で、「当店はペアリングがマストです」と予約時に言われた際、あまりたくさん飲めない私は、7杯と聞いてちょっと心配になりました。でもお店であらためて説明を聞くと、あまり飲めない人、全然飲めない人、それぞれに沿ってうまくアレンジしてくれることがわかりました。
ワインはこの前見学に行ったところの陸前高田の「神田葡萄園」さんのリアスワインがいろいろ出たのも嬉しい偶然でした。

口の中で広がる甘さにびっくりする椿茶
量は少なめにして、私はスパークリングとワインで4杯、ノンアルコール3杯にしてくれました。ノンアルコールも、赤ワイン1本分を煮詰めて200CC位のシロップにして紅茶と合わせたものや、美味しいリンゴジュースや、ふわっと不思議な甘さが広がる椿茶などなど、飽きずに色々楽しめる設定が素晴らしいのです。
ノンアルコールの人は水でも飲んどいてください、なんていう店に比べて、飲めない人にも夢を与えてくれるのですから、ペアリングを頼む価値も大いにあります。
型にとらわれない独創的な料理

スペシャリテの「蜂の巣」
8皿のコースのうち、まず最初に出たアミューズ3品。工夫があって取り合わせも良いものでした。特に「ジオラマ」と名付けられた白くて丸くてツルんとした物体。中には蕪のスープに海の沖合で養殖している帆立を入れて、キャビアをのせたもの。パクリとほうばれば、口の中ではじけて優しい味わいが無限に広がり、思わず目を瞠りました。
「季節」と名付けた秋刀魚の料理も秀逸。とても高級魚になったという秋刀魚をスダチでマリネし、茗荷のビネグレットやセロリを添えます。

八幡平サーモン
スペシャリテの「蜂の巣」は胃袋のトリッパです。研究を重ねたそうで、上に冷やした球状のラタトゥイユを載せて、食感の違いを楽しむ1品。私はあいにくトリッパが苦手ですが、好きな人なら大絶賛するはず。
次の白子のフリットは、初めての食べ方ですごく新鮮でした。岩手では柑橘が採れないので、代わりになる酸味のあるリンゴのソースやパクチーを合わせたところもユニークです。
リゾットにはホッキ貝のコンフィを合わせます。岩手県大槌町産の農家で栽培したサフランを利用。鮮やかな色彩が美しく、一口食べればサフランの香りがふんわり広がります。
伏流水で育ったブランドサーモンは脂が乗っていてムニエルも美味。ミニトマトのソースは濃厚で、茄子と一緒に添えられてよく合います。
メインは花巻石黒農場のホロホロ鳥です。胸肉やもも肉だけでなく、珍しいレバーや砂肝、ハツまで手に入ったとマダムが説明。確かに珍しい部位です。
もうお腹いっぱいでしたが、スイートポテトは別腹。キャラメルナッツのジェラートも甘くて美味しい締めくくりです。
店のデータとまとめ

デザートのスイートポテト
店のデータ
店名 | リストランテ シカザワ |
ジャンル | イタリアン(イタリア料理) |
住所 | 岩手県盛岡市菜園2丁目4−6 |
電話 | 019-681-8511 |
予約 | 前日までに完全予約制 |
席数 | 6席 |
予算 | コース8500円~(ワインペアリング7000円位のオーダーが別途必要) |
お店のWEBサイト | https://restaurant-36118.business.site/ |

テーブルの飾りもステキ
まとめ
いかがでしたでしょうか?鹿澤シェフの岩手の食材への愛情の深さがわかってもらえたのでは?そして私にとっても初めて頂く独創的な料理もいくつかあって魅了されました。シェフは食材の組み合わせを駆使して、見事な「プラモデル」を組み立てることに成功されたようです。
(2021年10月訪問)