目次
岐阜県郡上八幡にあるイタリアンレストラン「雀の庵」。2006年にオープンしたこちらのお店の最大の特徴は、美しい日本庭園を眺めながら本格的なイタリアンをいただけるということ。観光地ですがこの場所だけ切り取られたかのようにゆったりとした静かな時間が流れています。
清流のある城下町、郡上八幡
郡上八幡は飛騨高地の南部に位置する町。江戸時代には八幡藩の城下町として栄え、今も再建された郡上八幡城が町を見下ろします。
「水の町」とも称される郡上八幡には、町の至る所に水路が張り巡らされていて、現在も生活用水として利用されているのだとか。特に宗祇水(別名:白雲水)という湧水は有名で、名水百選の第一号としても知られています。
また古い建物も多く残り、観光地としても非常に人気の高い場所です。食品サンプル発祥の地でもあるこの町。「さんぷる工房」という食品サンプルグッズが売られているお店などもあるので訪れてみると面白いでしょう。私はここで本物そっくりの鮭の切り身と目玉焼きを購入して家の鍵につけています(笑)
古民家で食べるイタリアン
和風のネーミングに相応しく、美しい日本庭園を持つこのレストラン。昭和3年に建てられた旧邸宅をレストランとして改装していて、クラシックなムードが漂っています。すぐ横にはかつて生活用水路であった趣のある「いがわの小径」があり、丸々と太った大きな鯉が悠々と泳いでいます。
100年近い歴史がある日本庭園は、イタリアンレストランとは思えないほど立派に手入れされています。店内のテーブルからもこの庭を楽しむことが出来、雰囲気は抜群。
ここでいただけるのは地元の食材を使用したちょっと優雅なイタリアンです。天然素材を中心にソースからパスタ生地までひとつひとつ時間をかけて丁寧に仕込んでおられます。
個室を含め席は20席ほどありますが私が訪れたこの日は満席。かなりの人気店のようです。
料理の味は?
今回私がいただいたのはランチの2,900円のコース。アミューズから始まる全4品ほどのコースです。料理はあまりプロっぽくなく、どこか家庭的なイタリアンのような印象を持ちました。
まず出てきたのは天然鯛のチーズシューとカボチャのポタージュ。それぞれ一口サイズで、チーズシューのほうはクリームの代わりに中にペーストにした鯛が挟んであります。一方カボチャのポタージュはさらりとしていて飲みやすい。シンプルに自然の甘みを感じる…というよりは、色々手を加えてあるスープのように感じました。
パスタは郡上野菜を使用したミネストローネにペンネを加えたもの。具だくさんで野菜の旨味が感じられる一品です。ただ、カボチャのポタージュが出た後だっただけに2品連続でスープ系…?とびっくりしてしまったのは事実です。ペンネは勿論入っているのですが存在感が薄く、パスタ料理というよりはスープ料理っぽいなという感想になってしまいました。それならいっそシンプルにミートソースのスパゲッティなどで良かったように思います。
メインは岐阜県産ボーノポークを使用したサルティンボッカ。豚肉に薄い生ハムを巻き付けた料理で、粒マスタードのソースと一緒にいただきます。付け合わせはインゲン豆とマッシュポテト。こちらは量は少なめでしたが味は素朴で美味しかったです。
デザートは季節のフルーツをトッピングしたパンナコッタ。上にはマスカルポーネのクリームも載っています。パンナコッタもクリームも優しい滑らかな甘さで、このデザートがこのランチのハイライトでした。
コースは他にも長良川の恵みを受けて育ったジビエのフルコース(冬季限定)や、天然鮎のコース(夏季限定)なども用意されています。今回は1番安いコースを注文しましたが、2,900円でこれだけ食べられたら十分と言ってもいいでしょう。
データ
店名 | 雀の庵 |
ジャンル | イタリアン(イタリア料理) |
住所 | 岐阜県郡上市八幡町島谷474-1 |
電話番号 | 0575-67-2355 |
席数 | 20席 |
個室 | 有り |
予算 | ランチ¥2,900~ ディナー¥5,000~ |
予約 | 予約可 |
お店HP | https://suzumenoiori.wixsite.com/gujo |
まとめ
美しい日本庭園を眺めながらこれだけコスパの良い料理を食べられるお店はそうそうありません。郡上八幡では鮎や漬物ステーキなど郷土料理系のレストランが多いですが、「雀の庵」のようなイタリアンのお店が選択肢の一つにあるのは嬉しいものです。 (2021年10月訪問)