リストランテKubotsu(クボツ)【イタリアン/福岡市/福岡県】～「ひらまつ」グループのクオリティ！！

テーブルセットも高級感があります

多くの美食店が集う福岡県。特に博多や天神周辺にはジャンルを問わず多くのお店が見られます。今までにも何度かこの地に訪れていますが、今回の目的は天神周辺で食べられるイタリアン！駅の周辺でホテルの予約を取っているのでその近くだとベストです。勿論、「美味しい」というのが最低条件ですが・・・
そんな中で見つけたのが「リストランテKubotsu」。天神駅から徒歩2分という抜群の立地で、しかも食べログの福岡イタリアン1位！こんなに条件に合ったお店は無いと即予約しました。

九州の魅力を発信するひらまつ系列のイタリアン！

アミューズ2種も美味しい！

「リストランテKubotsu」は数々の美食店やオーベルジュを経営する「ひらまつグループ」のレストランの一つ。今まで何度も「ひらまつ」のレストランやホテルにお世話になっていて大ファンである私。「Kubotsu」がその系列店であることも予約の決め手になりました。
シェフの窪津朋生氏は元々福岡県の出身。2003年にひらまつに入社し、代官山の「リストランテASO」で腕を磨いた後、「リストランテASO天神」の料理長に抜擢されます。そして2018年、自身の名前を冠した「リストランテKubotsu」をオープン。生まれ育ったこの福岡という土地で、食を通して九州の魅力を知ってもらいたいと日々腕をふるっておられます。

絶品のホイップバター

シェフが「Kubotsu」をオープンするにあたってまず取り組んだのが九州各地の生産者さんの元へ足を運ぶこと。食の宝庫である九州で、シェフが本当に惚れ込んだ食材しかテーブルの上に並びません。そんな厳選された九州食材をメインに世界各国の食材を組み合わせて素晴らしいイタリアンへと昇華するのが「Kubotsu」のスタイルなのです。

天神でこれだけのキャパがあるとは…

卓上にはナプキン入れの大川組子が

冒頭でも述べたように「Kubotsu」があるのは天神駅から徒歩2分の場所。レソラ天神というビルの4階を丸々レストランとして使用しています。エントランスには福岡の伝統工芸品である大川組子があしらわれており、華やかさも感じさせます。また各テーブルにも大川組子のナプキン入れが置かれているほか、料理を彩る器に400年以上の歴史を持つ唐津焼を採用、幕府への献上品としても選ばれていた博多織をメニューの裏表紙に使うなど、店内の至る所に伝統工芸の美しさが散りばめられています。こうした工夫も「九州ならではの伝統や文化、匠の技をもっと身近に感じてほしい」という想いのもと。そして店員さん一人一人のサービスも、そんな優雅なお店の雰囲気に相応しい素晴らしいものでした。

落ち着いた雰囲気の店内

「リストランテKubotsu」は高級店としては珍しく、かなりキャパが広いのも特徴です。36席あるダイニングの他に個室や130名が着席できるサロンまで用意されています。立地の良さや、記念日に相応しい華やかで美味しい料理が味わえることからウェディングとして利用する人も多いのだそう。確かにウェディング会場でこれだけ美味しいものが食べられたら参列者側もテンション上がります。

マーグロはマグロ？？

カッポン・マーグロ

私がこの日いただいたのは全6品6,000円のランチコース。4つあるランチコースの中で2番目に安いものになります。アミューズは2種類で、一つが梅と黒胡椒と合わせたフォアグラのテリーヌ。そしてもう一つが数種類のチーズを練り込んだシュー生地に生ハムやエシャロットを挟んだもの。大抵アミューズを食べた段階でお店のレベルが分かりますが、「Kubotsu」のアミューズはその後の料理を期待させるような美味しさでした。
前菜は「カッポン・マーグロ」というイタリアの伝統料理で、ジェノヴァの魚介類と野菜のサラダのことです。最初「マーグロ？マグロの誤植かな？」と思っていたのですが、そういう料理名だったんですね(笑)ソースは根セロリのピューレとバジルのオイルで、ハーブのクスクスと合わせます。甘エビやアオリイカ、真蛸、国産のムール貝のマリネにして、食感のアクセントにイカ墨のチップスをトッピング。マグロは入っていませんがクスクスのアイデアが面白く、さっぱりと食べられる料理でした。

パスタはトマト、ナス、ブランド豚のソーセージと

また個人的にパンに合わせるバターも素晴らしいと感じました。普段レストランに行ってもあまりバターをつけず、お皿に残ったソースなどをつけて食べるのですが、「Kubotsu」で出されたホイップバターは絶品。しかもその横には本わさびと粒マスタードまで用意されていて、組み合わせのユニークさにびっくりしました。珍しくバターだけでパンを完食してしまい、パンをおかわりしてバターも完食です。

特に素晴らしかった魚料理

自然薯仕立てのスープといただく魚料理

私が特に気に入ったのが魚の料理。産地直送の魚は炙って自然薯仕立てのスープでいただきます。皮面はパリッと、中は半分レアになっていて火入れもばっちりです。カリカリの古代米と薄くスライスしたゴボウのチップスが食感に楽しみをプラス。またドライトマトの旨味や酸味が料理全体の味を引き締めていて、食材の組み合わせが巧みだなと感じました。
そしてメインは鶏肉です。もも肉と胸肉を使用していて、それぞれ部位ごとに調理方法を変えるこだわり。もも肉はグリルでパリッと仕上げ、胸肉は低温調理でしっとりと焼き上げます。合わせるのはカボチャのピューレとクリームニョッキ。クリームソースと言ってもしつこさは無く、かぼちゃとの組み合わせも勿論抜群です。

鶏肉はカボチャのピューレとクリームニョッキと

デザートは巨峰のゼリーで、メレンゲで作った器にブドウのジュレやフロマージュブランなどが盛り付けられた一品です。ボリューミーでしたが赤ワインのソースがかけられた大人の甘さがコースを締めくくるお皿としてぴったりで、最後まで美味しく食べることが出来ました。

データ

巨峰のデザートは美味

まとめ

食後の小菓子

料理の美味しさはもちろんのこと、お店の雰囲気やサービスなどなど全てにおいて高水準で、さすが安心安定の「ひらまつ」クオリティだと実感させられました。「ひらまつ」グループの中でも料理長の名前を店名にする店は稀なだけあって、この店ならではの特別感を見出すことが出来ました。(2021年9月訪問)