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料理の味をより一層引き立ててくれる役割を持つワイン。グルメ好きな方ならきっとワインにこだわりを持っている人も多いでしょう。料理人によって「料理に合ったワインを選ぶ」のか、「ワインに合った料理を作る」のか異なると思いますが、大阪淀屋橋にあるフレンチレストラン「プレスキル」は恐らく後者。
ワイナリーが経営するこのグランメゾンでは、素晴らしい料理と共に徹底的なペアリングを味わうことが出来ます。
クラシックなグランメゾン
淀屋橋と言えば大阪のビジネス街。大阪のメインストリートである御堂筋に面し、京阪と地下鉄「淀屋橋駅」直結という好立地にある複合ビルに「プレスキル」はあります。ガラス張りのエントランスを進んでいくと中は意外にもクラシカルな雰囲気。店内にはオシャレな絵画がいくつも飾られ、ブドウの葉を模したオブジェが壁を彩ります。キャパもスタッフさんの数も十分で、こなれた接客が居心地良かったです。
実はこのレストラン、現存する日本最古のワイナリー「まるき葡萄酒」が有するレストラン。最近では国産ワインの生産も盛んになってきましたが、ここはなんと明治10年からワインづくりを始めた先駆者なのです。そんなワイナリーが運営するレストランというだけあって、やはりワインの品揃えは抜群。ここでは是非とも料理に合ったワインのペアリングを頼みたいところです。
ランチ限定コースは5,500円で!
プレスキルでは王道フレンチにオリジナリティをプラスした料理を楽しめます。今回はラ・ソーヌというランチ限定コース5,500円をいただきました。
まず出てきたのは帆立を使った一品。外は香ばしく、中はしっとりと焼き上げた帆立はなめこのピューレと共に。肉厚の帆立は火の入り方が絶妙で、ちゃんと帆立本来の旨味や甘さが伝わります。またなめこをピューレにするという発想も面白く、一見するとまったくなめこ感は無いのですが、口に入れてみると独特の粘りや風味が感じられ面白かったです。これは白ワインが良く合いそう。
次いで出てきたのはフォアグラの温前菜。香ばしく焼いたフォアグラのポワレに合わせるのはキノコとフランス産の栗。そこに温かいキノコのヴルーテソースを目の前でかけてもらうのですが、既に香りが堪らない!ブルーテソースの特徴は口当たりが良く滑らかなことにありますが、キノコの芳醇な香りを纏ったこのソースはフォアグラとの相性もバッチリ。そこにフォアグラと良く合う栗の甘みがプラスされていて、秋らしさも感じる最高の前菜に仕上がっていました。欲を言えば後から掛けてくれるソースをもう少し熱くするか、器を予め温めておいてくれたら最後まで冷めずに食べられたのになあと感じました。
プレスキルの料理のメインは?
魚料理はタスマニアサーモンです。マリネにしてくるくると棒状に巻かれたサーモンは、そこから低温で火を入れられて中はレア感が残る仕上がりに。ソースはブールブランというバターが主役のソース。しかしそれだけでは濃厚になってしまうので、ここではアクセントに柚子の香りをプラスして濃厚さの中に爽やかさも感じられます。味自体は良かったのですが、個人的にはもう少し食感があると楽しかったです。例えばサーモンはただ焼くのでは無く、せっかくなら玉ねぎなどを一緒に巻き込んで、シャリシャリ食感が感じられるとより良い料理になると思いました。
一方メインはブルターニュ地方の鴨肉のロースト。鴨肉は奥歯で嚙みしめた時に後から旨味が広がるそうで、敢えて和食のような薄切りではなくブロックで提供しています。ソースはお肉のエキスや柑橘類を使ったもので爽やかさも感じます。歯応え抜群の鴨肉はたしかに噛めば噛むほど旨味が口の中に広がり美味でした。
またデザートも秋を感じるような一皿で、火を入れた洋梨に甘く煮た栗や紫サツマイモのアイスを合わせます。たまにデザートだけやたら甘くてがっかりすることがありますが、ここは上品な甘さのデザートがお店の雰囲気やコース全体の味に合っていて良かったです。
また食後のコーヒーはプティフールといただくのですが、こちらはなんとワゴンに乗ってやって来ます。いくつも種類がある中から好きなものを好きなだけ選べるスタイルで、私はアーモンドのタルトやシュークリームなどなど5つの小菓子を選択。東京のフレンチの名店「銀座レカン」でもこのようなスタイルでプティフールを提供していますが、それを彷彿とさせるような華やかで楽しい演出でした。
データ
店名 | プレスキル(Presquile) |
ジャンル | フレンチ |
住所 | 大阪府大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋odona 2F |
電話番号 | 050-5590-3463 |
席数 | 46席 |
個室 | 有り |
予算 | ランチ¥6,655~ ディナー¥15,730~ |
予約 | 予約可 |
お店HP | https://presquile.jp/ |
まとめ
日本最古のワイナリーが経営しているとあって、やはりスタッフの皆さんにワインへの並々ならぬ思いを感じました。もちろんワインが無くとも料理は楽しめますが、せっかくならソムリエさんがオススメする1杯を堪能してみてはいかがでしょうか。(2021年11月訪問)