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    イチリンハナレ(中華料理/鎌倉市/神奈川県)~日本家屋でいただくヌーベルシノワ

    イチリンハナレ
    個室は広々としていて良い感じ

    個室は広々としていて良い感じ

    食べログの「神奈川県グルメ人気ランキング」で堂々の1位(2021年12月現在)を飾る中華レストラン「イチリンハナレ」。訪れた友人が口をそろえて「オススメ!」と絶賛するのでずっと気になっていたのですが、やっと行く機会に恵まれたので鎌倉まで足を延ばしてきました。

    鎌倉の日本家屋でいただく極上の中華

    メインストリートから離れた静かな鎌倉で。

    メインストリートから離れた静かな鎌倉で。

    シェフの齋藤宏文氏は四川料理の名店「赤坂四川飯店」で12年も研鑽を積んだ方。その後築地に「東京チャイニーズ一凛」をオープンし、総料理長に。今回ご紹介する「イチリンハナレ」は2017年鎌倉に開いた「東京チャイニーズ一凛」の姉妹店なのです。現在シェフは築地と鎌倉両店舗のオーナーを務めておられ、時折テレビ出演などもこなすお忙しい方です。今年の6月にちょうど「あさイチ」に出演されていて、焼き餃子や秘伝のタレのレシピを紹介していたのを覚えています。

    お茶はずっと熱々が飲めるよう下から蠟燭で温めます

    お茶はずっと熱々が飲めるよう下から蠟燭で温めます

    「イチリンハナレ」があるのは鎌倉と言っても私たちが想像するような賑やかな小町通などとは違い、駅から20分ほど歩いた場所にある閑静な住宅地、坂の中腹です。元々フランス人の外交官が別荘として使っていた日本家屋らしく、門をくぐると立派な庭が現れます。古民家と言っても築40年ほどで、週に1回しか使われていなかったためほとんどリノベーションする必要もなかったほど綺麗だったそう。席はカウンターと個室がありますが、今回は個室に案内してもらいました。
    個室は畳張りにテーブルがセットされていて、外から温かい日差しが差し込んできます。庭の緑も見えて、中華と言うより和食を食べに来たかのような感覚になりました。

    イチリンハナレと言ったらコレ!

    絶品タレにジューシー餃子…美味いに決まってる!

    絶品タレにジューシー餃子…美味いに決まってる!

    さて肝心のお料理ですが、今回は8,800円のランチコースを注文しました。まるでフレンチやイタリアンのようにメニューがテーブルに置かれていて、ワインの品数も多いです。
    一品目はいくらの紹興酒漬け。こちらはシンプルにカクテルグラスに盛られたお料理です。上に香りのアクセントとしてスダチの皮が削られていて、おつまみにもピッタリなお味でした。
    またお店の看板メニューであり1番人気の料理・よだれ鶏は「イチリンハナレ」を語る上で欠かせません。深めの器に入って出てきたのはたっぷりのタレに浸かった丹波高坂地鶏は、レバーパテを添えて。タレは見た目ほど辛くなく、風味付けのためにナッツやパクチーが使用されています。柔らかく旨味の強い地鶏とピリ辛のタレが相性抜群。これは人気メニューというのも納得です。

    山椒の麺もめちゃくちゃ合います

    山椒の麺もめちゃくちゃ合います

    「タレは残しておいてください」と言う店員さんの言葉に従って次の料理を待っていると、出てきたのは焼き餃子。モチモチとした生地の中にジューシーなタネが詰まっていてそれだけでも十分美味しいのですが、こちらはよだれ鶏のタレにダイブさせていただきます。これがまた最高の組み合わせで、肉の旨味が引き立ちます。
    そして更に運ばれてきたのが山椒を練り込んだ麺。つけ麵感覚でタレにつけるのですが、流石にこれは辛いんじゃないか…?という私の不安なんて一瞬で覆りました。山椒が加わることで風味がより複雑に折り重なり合い、絶品麵料理に早変わり。まさか地鶏の後に2つも出てくるとは…どうりで器にたっぷりタレが入っていたんですね。これこそが「イチリンハナレ」名物「よだれ鶏の“三段活用”」なのです。

    これぞモダンチャイニーズ!

    絶妙な火入れの帆立の春巻き

    絶妙な火入れの帆立の春巻き

    また北海道産の帆立を使用した前菜も美味でした。こちらはシンプルに春巻きの皮を付けて揚げ、キャビアと共に。帆立はレア感の残る絶妙の火入れで、外はサクサクで食感の違いも楽しい。味付けは最小限でキャビアの塩味でいただく料理でした。中華ですがなんだか白ワインが合いそうな味で、シンプルながら洗練されています。
    次いで出てきたのはエビチリ。とは言ってもただのエビチリではなく、少し欧風にアレンジされたもの。なんとエビチリの上にトッピングされているのはたっぷりとかかったコンテチーズ。横には桜エビを練り込んだチュロスが添えられています。そのまま食べるとピリピリするエビチリもチーズのおかげでコクが出てまろやかな風味に。辛いものが苦手な私は通常エビチリのソースは残す派なのですが、これはむしろ全部食べたくなるような病みつきになるお味。チュロスも桜エビの香ばしい香りがエビチリに負けておらず、一緒に食べるとまた違った印象になりました。

    エビチリはコンテチーズでまろやかに

    エビチリはコンテチーズでまろやかに

    一方メインのシャラン鴨の炭火焼きはかなりフレンチやイタリアンナイズされた料理に感じました。ただここでも勿論中華らしさはあって、一緒に合わせているのは百合根と山椒。「山椒は香りづけのためなので外してお召し上がりください」と案内されましたが、せっかくなので1粒だけ一緒にイン。噛むと山椒独特の風味がぶわっと口の中に広がり、これはこれで美味しかったです。
    そしてこの日のご飯ものは白子入りの麻婆豆腐。白子は今が旬で麻婆豆腐に入れているのもこの時期だけなのだとか。辛味を抑えつつ、コクをプラスしていて美味しかったです。

    よだれ鶏のタレは購入可能!

    美味しすぎて何にでもつけたくなります!

    美味しすぎて何にでもつけたくなります!

    「美味しい美味しい」と喜んで食べていたよだれ鶏ですが、なんと「イチリンハナレ」ではそのタレを販売してくれていて、自宅でも気軽にシェフの味を再現出来てしまうのです。もちろんそのよだれ鶏のタレは購入しました。(2,500円)
    買った翌日早速タレを使ってみたのですが、実際にレストランで食べたあの味そのままで感動。私は水餃子につけたり蒸し鶏サラダにかけてみたり、いろんな食べ方を試しています。

    メインのお肉をタレにちょっと浸すのも美味でした

    メインのお肉をタレにちょっと浸すのも美味でした

    買って1週間足らずですがもう3分の1ほどしか残っていないので、無くなったらまた追加で購入しようと目論んでいます(笑)
    タレと一緒にナッツも入っているのですが、やっぱり入れるのと入れないのとでは香りが段違い。お店ではパクチーを使っていましたが、ニラやネギをたっぷり入れてみるのもよく合いそうです。

    データ

    麻婆豆腐にはタラの白子が!

    麻婆豆腐にはタラの白子が!

    店名イチリン ハナレ
    ジャンル中華料理
    住所神奈川県鎌倉市扇ガ谷2-17-6
    電話番号050-5593-6795
    席数27席
    個室有り
    予算ランチ¥8,800~ ディナー¥16,500~
    予約完全予約制
    お店HPhttps://whaves.co.jp/ichirinhanare/

    まとめ

    紹興酒のアイスを挟んだモナカ

    紹興酒のアイスを挟んだモナカ

    常であれば辛いものを食べると水が手放せなくなったり、舌が痺れて繊細な風味を感じ取れなくなってしまう私ですが、「イチリンハナレ」では最後まで料理を「美味しい」と感じることが出来ました。それは例えばエビチリにチーズをかけてみたり、麻婆豆腐に白子を入れてみたり…と言ったシェフの心遣いのおかげかもしれません。
    またデザートにはラフランスのスムージーと紹興酒アイスを挟んだモナカが出てきました。どちらも香辛料でピリピリと痺れた舌を労わるような優しい甘さで、最後まで考え尽くされたメニュー構成に感動したのでした。(2021年12月訪問)

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