今年ミシュランの京都・大阪版をパラパラ見ていたときのこと。なんと、「いづ源」がビブグルマンに選ばれていたのを知ってビックリしました。
この店は大分前から私には馴染み深いお店だったのです。夫の実家から徒歩数分のご近所さんにあったので、義母は私たちが遊びに行くとよくいづ源のお寿司を出前で取ってくれました。
いづ源のお寿司はいわゆる伝統に守られた京寿司で、鯖寿司、巻き寿司、箱寿司、ちらし寿司などがメインです。当時から鯖寿司だけでなく、ここの巻き寿司と箱寿司は他とは違う特別な味で、私にとって最高の巻き寿司と箱寿司でした。
かつて京都に遊びに来て東京へ帰る時には、いつも義母はここの折の弁当を持たせてくれました。巻き寿司と箱寿司が入っていれば十分幸せな気分になったものです。いつも穏やかで優しい義母の気持ちが嬉しくもありました。
今は義母はホームで暮らし、住んでいた家も空き家になって久しく、京都へ帰るときはいつもホテルに泊まる私たちです。いづ源への足も遠のいていました。かつてはあれほど美味しく思えたお寿司の味も、口の肥えた今ではそれほとでもなくなっていたら寂しいだろうし。
今回、近くのホテルを取っていたので、久しぶりに懐かしくていづ源さんを再訪してみました。ホテルで食べるために持ち帰りで、箱巻寿司1260円と鯖寿司2200円を購入。
お店には大将ととても愛想のいい奥さんがおられ、待っている間、お茶も出してくれました。大正時代「いづう」と暖簾分けしたお店だけあって、歴史も長く流行ってきたお店だけのことはあります。
きれいに包装された竹の折に入った鯖寿司はさすがの出来映え。噛み締めるごとに鯖の旨味とすし飯が混ざりあって絶品です。初めて食べた娘も美味しい!と驚いていました。
そして懐かしの巻き寿司も箱寿司も、今なお全く変わることなく私にとって最高の味でした。調べてみたら、ミシュランだけではなく、大将は京都府の現代の名工にも選ばれているのです。
それでも義母の空き家を横目で見ながらホテルへ戻るときは、さすがに寂しい気持ちになりました。
そうだ!今度ホームに義母の面会に行くときは、いづ源の折を差し入れに持っていこう!そう思い付いた私でした。
(2021年11月訪問)
レストラン名いづ源
ジャンル | 寿司 |
住所 | 京都府京都市下京区高倉通綾小路下る竹屋町391 |
TEL | 075-351-2516 |
予算 | 1600円位~ |
座席 | 28席 |
個室 | なし |
予約の可否 | 予約可 |