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離れ7室だけの小じんまりしたゆったり静かな人気の宿「雲風々(うふふ)」。大浴場はなく各部屋にそれぞれ趣の異なる露天風呂付き。そのお湯は月ケ瀬温泉の掛け流しです。インテリアもそれぞれ異なり素敵です。夕食と朝食は食事処へ行って頂きますが、大浴場にも行かないので、温泉宿と言ってもほぼほぼチェックインからチェックアウトまでお部屋で過ごす、いわゆるお籠り宿としてカップルにも人気なのです。その設備は、サービスは?そしてお食事はどうだったのでしょうか?実際に滞在してレポートしました。
雲風々の環境とお部屋
狩野川が流れ、渓谷の緑したたる美しい自然の中にこの宿は建っています。目の前には竹林や大きなけやきの木も立派な姿を見せています。
この宿にはSPAもあってリゾート感覚で滞在できるのです。同じ敷地内には「UFUFU VILLAGE」というグランピングもあって、大浴場もあるキャンプやペットも泊まれる設備があります。
修善寺駅からは車で15分ほどの月ケ瀬温泉です。宿の送迎は付いているので安心です。
私が滞在した部屋は「流清」という、7室の中で一番広い59.84㎡の和洋室です。和モダンな落ち着いた内装で、ベッドルームとリビングの境に木の細い幹がすだれのように立ててあるインテリアが面白いものでした。
狩野川沿いにあるリバービューの部屋で、青くて素敵なタイルの露天風呂からはすぐ目の前に群生する竹林と川面が望めます。ゆったり広いデッキスペースもあります。これだけの露天風呂が独占できれば大浴場はなくても全く問題ありません。
お部屋の設備もしっかりしていて、エスプレッソマシーンもあって、ミニバーはすべて無料です。アメニティは館内にSPAがあるだけあって充実しています。タオルも各自各種2枚ずつ置いてあり、パジャマの他にバスローブと、食事処へ着ていく作務衣も用意されているのは立派です。
ムード満点のカウンターで頂く伊豆の豊かな恵み
ディナーはお食事処のカウンターで頂きました。目の前にはライトアップされた木々の眺めが広がりとてもロマンチックです。サービスも感じよく、料理の説明もはきはきとわかりやすく、肝心の味の方も素晴らしいものでした。
料理長はかつての師匠だった方が京都での料理人歴が長い方だったそうです。だから京風の味付けを習ったとかで、お椀も薄味でまさに京風。私の好みにどんぴしゃでした。やはり料理人はお椀の出汁に最も心を配るものだというのも師匠の教えを継いでおられるのでしょう。
蕪のすり流しから始まる懐石料理は、どれも丁寧なつくりでした。静岡らしく、目の前でどんどん擂ってくれるまさに擂り立てのわさびはどの料理にも大活躍です。このコースでわさびがひとつの主役と言ってもいい存在です。
一番印象に残っている料理は伊勢海老と雲丹のお鍋です。伊豆という土地柄、新鮮この上ない(さっきまで生きていた)伊勢海老を雲丹を溶かした出汁の鍋に入れ、粟麩や生湯葉、水菜に九条ネギと京風野菜などの食材と一緒に炊いて頂きます。出汁の美味しさはもちろんのこと、鍋が終わった後雑炊にしてくれたのが気が利いています。普通お食事には炊き立ての白米か炊き込みご飯が味噌汁と一緒に出されるのが一般的ですが、懐石とはいえ、これは賢いやり方でしょう。
デザートにはクレームブリュレやわらび餅など一般的なものに加え、天城高原牛乳のソフトクリームが出たのも面白く、わさびを付けて食べてくださいと、ここにもわさびが登場です。
個性的で美味しい工夫のあるコース。この宿、やっぱり人気があるはずだと納得でした。
施設名 | 雲風々(うふふ) |
住所 | 静岡県伊豆市月ケ瀬499−1 |
TEL | 0558-85-0230 |
予算 | 2名1室利用の場合 1人47900円~ (2食付き) |
客室数 | 離れ7室 |
風呂 | 大浴場なし |
露店風呂 | 各部屋にかけ流しの露天風呂あり |
公式サイト | http://ufufu.co.jp/ |
まとめ
あとでその宿のことをすぐに思い出せないケースがあります。印象に残らない宿の場合です。
その点、この宿では印象的なことがいくつもありました。お部屋のきれいなブルーのタイル張りの露天風呂と目の前に広がる竹林のすばらしさ。ディナーのカウンターから眺めた大きなけやきの木の幻想的なライトアップ。新鮮なわさびをどんどん擂って出してくれたわさびが大活躍のディナー。帰りに料理人の方を含め6人ものスタッフが総出でお見送りしてくれたこと。忘れられません。
(2022年2月訪問)