高松駅から徒歩20分。賑やかな商店街の中を通り抜けた先に、「両忘」というイタリア料理店があります。食べログでは高松市のイタリアンでNO.1、百名店にも選出されている人気店です。
完全予約制のこちらのレストラン。1回5名までという限られたキャパシティでやっておられ、全体的に小ぢんまりとした印象です。シェフの中川暁友氏は香川県さぬき市の出身で、2015年にこの場所でお店をオープン。食材の旨味を引き出す「シンプルな調理」にこだわり、自分にしか作れない料理を提供されています。
時間厳守と言われ10分前にはお店に到着。その5分後にはもう1組のゲストも揃い、料理を待ちます。ただ時間厳守と言われた割には料理の提供はかなりスローペース。ランチは12時からの一斉スタートですが、1品目の海老芋のポタージュが出てきたのは結局12時15分になってからでした。
調理は全てシェフ1人でやられているため全体的に提供速度は遅め。ランチですがしっかり2時間半はかかりました。
ただその分料理のクオリティは高く、満足のいくものも多かったです。海老芋のポタージュも非常になめらかで優しい味。少しもったりとしていますが、胃に優しそうです。
2品目はライ麦パンにアンチョビとチーズが載ったシンプルな一皿。イタリア語で「引き裂く」という意味を持つ「ストラッチャテッラ」というチーズを使用しています。これはブッラータ(バターのような)チーズの中身のとろとろの部分だけを集めた贅沢なチーズ。アンチョビの塩味をマイルドにしてくれて、引き裂いた繊維も感じるとろ~り食感が病みつきになります。
続いて出てきたのはレバームース。なめらかに仕上げられたムースはオリーブオイルや塩と合わせて。ほのかに甘さも感じられ美味しいのですが、濃い味付けの割に量が多いのが気になりました。他にトッピングも無くシンプルな料理なので、同じタイミングでパンを出すなどの配慮があると良かったです。
また原木しいたけの料理も非常にシンプルですがユニークで面白い一皿でした。拳ほどはあろうかというビッグサイズの原木しいたけはシンプルにフリットに。上には覆うように生ハムのスライスをトッピングしていて、フリットの熱でハムの脂がとろっと溶け出すのが良かったです。出来立てで熱々の状態で提供してくれるのが嬉しく、サクッとした衣と、しいたけのジューシー感が堪りません。
そして個人的に最も気に入ったのが高知のツジガツオを使ったお料理。こちらはタタキ風に皮面のみパリっと炭火で炙り、たっぷりのミョウガと合わせています。皮の香ばしさと身のレア感がばっちりで、さっぱりといただけました。
メインは千屋牛のイチボ。程よい霜降りと赤みが特徴で、カラシをつけてシンプルに。少し脂っこく感じましたが、ボリュームもあって食べ応えは抜群です。
イタリアンで欠かせないパスタは、メインを食べ終わったあと〆として登場します。この日はシンプルにトマトのパスタ。タリアッテレ風の手打ち麺は弾力があり、もちっと食感です。
またデザートにはシェフ自慢のチーズケーキを味わいます。「チーズケーキでは1番」と豪語されるだけあってその味は格別。非常になめらかな口あたりで、上に軽く振られた塩も良いアクセントになっています。人気メニューのようで、チーズケーキのみのテイクアウトも行っているのだとか。たしかにこれは繰り返し食べたくなる味です。
オーソドックスなイタリアンとは違い個性的なメニューも多く、特に食通にオススメのお店です。レバームースやアンチョビなど少々脂っこくて塩辛い料理もありましたが、お酒を飲まれる方には良いかもしれません。(2022年2月訪問)
レストラン名 | イタリア料理店 両忘(りょうぼう) |
ジャンル | イタリアン/イタリア料理 |
住所 | 香川県高松市今新町6-2 1F |
TEL | 087-873-2991 |
予算 | ランチ¥8,000~ ディナー¥10,000~ |
座席 | 5席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 完全予約制 |
公式サイト | https://ryobo2015.wixsite.com/ryobo |