相模湾を目の前にした高台に建つひらまつ熱海。ひらまつのホテルチェーンはいつもそのフレンチの美味しさで驚かせてくれますが、ここ熱海では新たな驚きが待っていました。
それは全13室ある客室のうち2部屋が数寄屋造りの和室であること。通常の洋室の部屋は、ひらまつでよくあるタイプの、室内に展望風呂がある全室オーシャンビューのスタイリッシュなお部屋です。ところが私たちが泊まった梅の間は160㎡もの広さの数寄屋造りの建物でした。まるで田舎の家に帰省した気分。縁側で花火でもしたい懐かしい1軒家です。室内のお風呂は小さいですが、広い庭にある露天風呂は石造りで、熱海の名湯を楽しめるとっても心地いいお風呂です。洋室にあるタイプの石のお風呂をひとまわり大きくしたもので、海を見渡せて開放的な気分が味わえます。
お食事処は2つの素敵なレストランがあって、部屋ごとに2つのグループに振り分けているようです。ディナーはハイレベルなフレンチ。期待を裏切らないどころかすべてが感動的でした。
熱海の海と山の幸、そして日本全国から取り寄せた旬の食材ををふんだんに使った宴の幕開けです。
料理の始まりは伊東漁港<大武丸>の釜揚げシラスとクロケット 春菊のブルーテ。苦みのないまろやかな緑色の春菊のソースの上にシラスとジャガイモのコロッケやシラスそのままを載せた一品。この組み合わせの妙に脱帽です。次は甘味抜群の伊勢海老をシャラン鴨の燻製で巻き、マンゴや海老味噌を和えてあります。鰻は薄くして香ばしい蒲焼と里芋の上にフォアグラの西京焼きを載せたものへと続きます。3つの前菜でもはや私はひらまつワールドにどっぷり。
続くはメインディッシュ。天城軍鶏と三島野菜の温製サラダ 黒胡麻ソース、黒鮑のムニエル トリュフ香るシャンピニオンクリーム、サマートリュフ載せ。書いているだけで思い出して涎が出そうなメニューでした。
ひらまつ本店や今はクローズしたそうですがパリの店でも研鑚を積んで、名古屋や福岡でもシェフをされていたひらまつ熱海の現在のシェフ猪野圭介氏。彼が生み出す独創的な料理に魅せられる夕べなのでした。
翌朝。朝食が豪華な洋食というのもひらまつさんならでは。和風の温泉宿に泊まりつつ、焼きたてのクロワッサンを頂く熱海の朝。和洋折衷の極みを堪能したのでした。
(2019年8月訪問)
旅館名 | THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海 |
住所 | 静岡県熱海市熱海1993-237 |
TEL | 0557-52-3301 |
お風呂 | 大浴場なし |
予算 | 2人部屋利用の場合1人約56000円から(2食付) |
露天風呂付客室 | 全室露天風呂付き |