レストラン オガタ(フレンチ/木更津市/千葉県)～木更津に知られざるフレンチの名店がある！！

看板も小さく隠れ家風のレストラン

千葉への小旅行を1週間後に控えたある日、1本の電話がありました。発信元はちょうど旅行中に行こうと予約をしていたレストラン。やむを得ない事情があって予約をキャンセルさせてほしいというものでした。
さて困りました。そもそも今回の旅の目的はそのレストラン。代わりのレストランを探さなくてはいけなくなってしまいましたが、旅のメインイベントに相応しいレストランはそう簡単には見つかりません。どこか良いお店はないものか、そんな思いで調べていたら「レストランオガタ」というフレンチを見つけました。食べログではまだ口コミ件数も少なく、ミシュランなどに掲載されているわけでもありません。しかし写真やシェフの経歴を見る限り良さそうです。
幸いにも予約が取れ、そんな経緯で私は「レストランオガタ」を訪れることになったのです。

1日3組限定！完全予約制のフレンチ

ゆったりとしたつくりの店内

木更津駅から車で10分ほどの場所にある「レストランオガタ」。基本的に夜のみの営業ですが、土日・月曜の祝日はランチもやられているそうで、今回はランチにお邪魔しました。
シェフは元々調理専門学校時代にフランスの三ツ星レストラン「ポールボキューズ」で研修を積んだ方。卒業後は銀座の「ロオジエ」に務め、再び渡仏。有名店での修業を重ねます。帰国後はフランス料理学校で教授に就任し、2018年の12月に「レストランオガタ」をオープンしました。

カトラリーもオシャレです

「レストランオガタ」は1日3組限定の完全予約制のフレンチレストランです。旬の食材を使用したシェフの料理は一皿一皿こだわりが詰まっています。店内もゆとりがある落ち着いた雰囲気で、高級店ですが肩ひじ張らないアットホームさもあります。

創作性溢れる料理

5種類のアミューズはどれも凝っています

「レストランオガタ」のメニューはランチ・ディナー共に12,000円のコースのみ。より質の高いこだわった料理を食べてもらいたいというシェフの想いから、このようにコースを1本に絞ってやっているのだと言います。10品ほどで構成された料理とデザートはどれもクオリティが高く美味。特にメニューに記載のないアミューズが驚くほど凝っていて、その数5種類。ジロール茸のクロケットやカレー風味のオニオンを載せたチュイール、鹿肉のパテに豚肉のリエット、ズワイガニをパリパリ生地で巻いたものなど、シェフ1人で作っているとは思えないほどそれぞれ丁寧に作られています。

フォアグラは根セロリのクーリとトリュフと共に。

続いて蓋の付いたガラスの器に入ったカブのムースリーヌ。下には甲殻類のジュレを敷き、上にねっとりとした食感のエビをトッピング。個々で食べても美味しいですが、下から掬って一緒に食べるとより洗練された味がして素晴らしかったです。
フォアグラはオータムトリュフや根セロリのクーリと。脂っこさは感じず、トリュフの芳醇な香りとフォアグラの旨味が根セロリの甘みで上手くまとまっていました。

A5ランクの中でも特に優れた“匠”とは？

見た目よりずっとさっぱりした“匠”のお肉

また帆立のポワレはビスク仕立てでいただきます。中心に行くにつれレア感の残る帆立は絶妙な火入れ。ビスクも濃厚すぎず私好みの味でした。
メインはとちぎ牛のロース。こちらはA5等級の中でも特に優れているとされる“匠”の部位を炙り焼きにしてボルドレーズソースと共に。見た目は霜が降っていて脂っこそうですが、実際に食べてみると嫌なしつこさはありません。むしろ肉の旨味が感じられて付け合わせの野菜との相性もいいです。
デザートは2種類。まず出てきたのはアップルティーのイメージで作られた一品。リンゴのコンポートにアールグレイのジュレ、レモンのソルベ、リンゴとグレープフルーツの泡を載せたデザートは、お肉の後に出てくるのに相応しいさっぱり感。甘さも控えめでデザート前のお口直しのような感覚です。

ヴァシュラン・フレーズ

次いで出てきたのは見た目にも華やかなヴァシュラン・フレーズというデザート。メレンゲや苺をふんだんに使っていますが、アクセントにラム酒のアイスを添えていて、甘さの中に大人な風味も感じられます。
また食後の飲み物も6種類から選べる上に、ミニャルディーズも8種類と充実のラインナップ。小さいレストランだとあれやこれやと作れないものですが、ここではシェフがアミューズから食後の小菓子までこだわり抜いています。本当は厨房にもっと人がいるんじゃないかと思えるほどで、シェフの手際の良さには脱帽です。