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    棚田の宿 ささゆり庵 小角(おづぬ)(室生深野/奈良県)~1日1組の宿で非日常の体験を!!

    ささゆり庵
    どこかのお寺の石庭?いえいえ、ささゆり庵のお庭です

    どこかのお寺の石庭?いえいえ、ささゆり庵のお庭です

    1日1組限定の1棟貸しの宿。最近町屋などでそういう宿は増えてきましたが、ここ「棚田の宿 ささゆり庵」はまったく想像を絶する古民家宿だったのです。奈良と三重の県境、室生深野に位置し、国定公園の絶景を独り占めできる別荘風の宿。屋敷自体が大きく驚きのスペースなのです。母屋に近い「蔵王」と離れで広い枯山水の庭を持つ「小角おづぬ」の二つあって、私は離れの「小角おづぬ」に滞在しました。この宿に関してのエピソードはいっぱいあって、どれもが驚きに満ちていました。古民家と言っても実際は新築の茅葺屋根を一から建築したというのもまずビックリ!ほかにもあるこの宿の魅力を探りに実際に泊まってみたレポートを細かくご紹介しようと思います。

    奥大和の茅葺家屋の宿

    囲炉裏のある和室と向こうにはダイニングルーム

    囲炉裏のある和室と向こうにはダイニングルーム

    奈良県奥地の室生深野。奥大和の自然に溢れた田舎に立派な茅葺古民家別荘宿「ささゆり庵」はあります。「小角おづぬ」は2018年オープン。古民家を改装したのではなく、なんと1億円もの費用をかけて新築で茅葺屋根の建築をいちから建てたというのが驚きでした。昔ながらの建築と最新の設備を備えた贅を尽くした和モダンの一軒家です。
    茅葺の天井が高い部屋は畳敷きで、囲炉裏端もあります。ベッドルームは洋風で、キッチン回りも洋室でダイニングテーブルは掘りごたつで食事しやすい造りです。出張シェフが料理しに来てくれるサービスやケ-タリングもあります。

    鯉が泳ぐ池や茶室もある大きな庭は素晴らしいの一言

    鯉が泳ぐ池や茶室もある大きな庭は素晴らしいの一言

    ここの庵主の松林哲司氏(61歳)はなんと本業以外に信仰として山伏をされているとか!山伏は山で修行をする僧侶のことです。かつてはインドのリシュケシュやチベットでヨガの修行をしていたこともあるとか。説明を聞くと、大きな枯山水の庭園に面した縁側では座禅やヨガもできるようにスペースを広く作ったとか、近くで滝行をするプログラムを組んでいたり。世界のセレブはそうしたスピリチュアルな体験を好むため、コロナの前にはそれこそ世界のセレブがヘリで訪れてここに滞在していたそうです。ハリウッドの映画関係者やサウジアラビアの王族、ニューヨークのTVプロデューサーなどもたくさん泊まりに来たそう。日本人の我々も素敵と思う日本の魅力を凝縮した宿だから、外国人が魅了されるのも当然なのです。

    和モダンの極地 枯山水の庭

    「小角おづぬ」に泊まればこの庭が独占できる!!

    「小角おづぬ」に泊まればこの庭が独占できる!!

    ここはお寺か?「小角おづぬ」には自分がどこにいるかわからなくなるような立派な枯山水の庭がありました。石庭や大きな鯉が泳ぐ池まであります。庭を眺めながら縁側で1日中過ごしていたくなる素晴らしさです。こんな庭も独占できる究極の贅沢な時間なのです。
    最初にできたのが母屋に近い1号館の「蔵王」です。そっちでは棚田が眺められるので、「棚田の宿 ささゆり庵」と名付けられたのだそうです。2号館である「小角おづぬ」の方は古民家といっても最新で、すべてがいちから作られたのです。

    上の階には和室もあって寝室として使える

    上の階には和室もあって寝室として使える

    全ての設備はモダンで美しく、使い勝手がいいので、通常の古民家が苦手な人でも全く問題なく楽しめるのです。私自身、古民家によくある薄暗い窓もないような蔵の部屋というのに苦手意識がありましたが、ここは新しいだけあってガラス扉がワイドで光が差し込んでくるし、照明も多くとにかく明るいのがいいところ。キッチンには電子レンジも大型冷蔵庫もエスプレッソマシーンも、とにかくあるといいなと思うものは何でもあります。
    バスルームは信楽焼の五右衛門風呂風の湯船が素敵です。庭の眺めがガラス一面に眺められて最高のバスタイム。洗濯部屋まであって、全自動洗濯機が置かれ、夏の旅の合間に溜まっていた洗濯物を洗えてさっぱりしたのも嬉しいサービスでした。

    オーナーがいる宿の重要性とは?

    扉の奥には出張シェフ用の隠された厨房がある

    扉の奥には出張シェフ用の隠された厨房がある

    松林さんはここささゆり庵の最大の魅力は「オーナーがいる宿」すなわち、オーナーが常駐していてゲストと会話ができる宿だということでした。その重要性について、自分でもいろいろ宿を泊まり歩いて実感しているのだそうです。私自身もいろいろ泊まり歩いて経験したことは、1棟貸しの宿の場合、鍵を渡して説明をしてお終いのところも多く、せいぜいスタッフやマネージャーがいるところはあります。でもオーナーさんが常駐しているところは限りなく少ないのです。オーナーさんがいて、その宿への思いとか、いろんなエピソードなどを話して聞かせてもらえる宿こそが魅力的なのです。

    信楽焼の五右衛門風呂風湯船

    信楽焼の五右衛門風呂風湯船

    松林さんは本職は貿易の仕事もなさっていて、その活躍分野は広いようです。英語もうまいので、コロナ前は外国人相手の商売も多かったようで、外国人が喜びそうなムードが満載の宿とも言えます。そして自らがゲストをもてなし、常駐しているので、奥様と一緒にサービス係も担当してくれます。食事の配膳、片づけからゲストとのおしゃべりなど、バトラー的な仕事も兼ねておられます。松林さんがおられることで、この宿での滞在が断然楽しく、その思い出に深みを与えてもらえたのは間違いありません。

    非日常の体験が魅力

    出張シェフによる新鮮野菜のベジタリアンメニュー

    出張シェフによる新鮮野菜のベジタリアンメニュー

    この宿には必要なもののすべてが揃っているようですが、必要ないものは存在しません。枯山水の庭を眺めて小鳥のさえずりを聞くためには、テレビは不要。だから静寂を楽しめるのです。
    非日常の体験を楽しむためにいろんなプログラムが用意されています。座禅やヨガ、護摩行体験、和太鼓、滝行といったものがあります。護摩行には行けなくても、置いてある護摩木に願いを書いて松林さんに渡しておけば護摩行で焚いてくれるそうです。他にも何かやってみたいことがあったら、松林さんが相談に乗ってくださるかもしれません。

    この縁側で座禅したり瞑想にふけることもできる

    この縁側で座禅したり瞑想にふけることもできる

    私たちは夕食も朝食も出張サービスでシェフに来てもらいました。ディナーはここの畑で採れた新鮮な野菜を使った欧風・フュージョン・ベジタリアンを選びました。他にもヴィーガンメニューやしゃぶしゃぶ、ミシュランシェフの日本料理などいろんなメニューも選べるようです。自分たちだけのためにシェフ独占のディナーは贅沢な経験です。
    かつてセレブの外国人が泊まりに来た際は、ヘリをチャーターして高野山へ片道40分でひとっ飛びしてよく参拝の案内をしたそうです。豪華で楽しいツアーもたくさんやっていたとか。これこそ非日常の贅沢な体験ですね。

    データとまとめ

    部屋の掛け軸にはたくさんの御朱印が!

    部屋の掛け軸にはたくさんの御朱印が!

    宿の名称棚田の宿 ささゆり庵
    住所奈良県宇陀市室生深野656
    電話0745-88-9402
    風呂内風呂あり
    食事出張シェフによるサービス、ケータリングあり
    予算2人で貸し切りの場合 1人当たり35000円~(蔵王の場合、朝食付き)1人当たり45000円~(小角おづぬの場合、朝食付き)
    アクティビティ予約時に相談を
    宿のwebサイトhttps://sasayuri-ann.jp/PORTAL/index.html

    茅葺屋根なので天井が高い和室

    茅葺屋根なので天井が高い和室

    まとめ

    1日1組限定の究極の茅葺古民家別荘宿はまるでどこかのお寺にお邪魔しているような素晴らしい庭と、和モダンの最高峰ともいえる宿でした。そして何より素晴らしいのは山伏もされているオーナー松林さんが常駐されていてさまざまな貴重な会話が楽しめることでした。いろんな意味で非日常の体験ができるこの宿はおすすめです。奈良・奥大和方面に出かける際は宿泊の候補にぜひ!

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