お城のような建物が恵比寿にできたのは2004年のことでした。言わずと知れたフランスのガストロノミーを牽引してきた皇帝のごとき存在ジョエル・ロブション氏が「シャトーレストラン・ジョエル・ロブション」をオープンしたのです。
爆発的な人気があって当時はなかなか予約が取れなくて超が付く高級店なので、私にとっては高根の花でした。1階にある「ラ・ターブル・ドゥ・ジョエル・ロブション」には行ってみたものの、2階のシャトーの方はしばらくは行くこともためらっていたのですが、念願かなって2016年と2018年に家族と私の誕生日に2度ディナーに行くことができました。オープンからかなりの年月が経ていました。
2階にあるシャトーレストランには白い螺旋階段を上っていきます。着いたところはシャンデリア輝くまさにフランスのシャトーで、ドレスが似合う華やかなムードです。スタッフのサービスもさすがにこなれていて、こうしたシャトーによくある慇懃無礼なところはなくとても感じがいいのです。初めて来ても寛いで楽しめます。
御料理はすべてがアート作品のように美しく、心から食べるのが惜しい!と思いました。とりわけアミューズのスペシャリテである、「キャビア・アンぺリアル・ロブションスタイル」は必ず体験したい逸品です。どっさり盛られたキャビアの下にはカニやオマールなど甲殻類のジュレが敷かれ、なめらかなカリフラワークリームで点々の模様にデコレーションされています。まずはアッと驚き、食すと至福の瞬間が訪れるのです。アミューズからスペシャリテって、まずそれがすごいこと。前菜の甘いプチトマトにガスパチョを注入させた一品はその創作性に脱帽。その後の数々の料理がいかに技と手を尽くしたものかが想像できます。
デザートはワゴンでありとあらゆる種類のものが運ばれてくるのでもう大変です。どれも食べてみたいのですが、その頃はほとんどお腹がいっぱいです。すると親切にもほんの一口ずつ味見のように5種類ほどお皿に載せてくれました。どんなリクエストも喜んで受けてくれるのもジョエル・ロブションだからこそ。
2018年3月に2度目の来店をしましたが、その時に挨拶に来てくれたのが2017年11月に総料理長になられたミカエル・ミカエリディス氏。ロブション氏が認める才能あふれる若き料理人だとの評判でした。とっても腰が低い優しい人で、一緒に写真も撮らせてくれて感激でした。
その年の8月、テレビのニュースでロブション氏がスイスで亡くなったと知りびっくり。その後はミカエリディス氏が後継者として、この恵比寿の地でロブション氏の味を引き継いでいってくれるはずです。
レストラン名 | シャトーレストラン・ジョエル・ロブション |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 東京都目黒区三田1-13-1 恵比寿ガーデンプレイス内 |
TEL | 03-5424-1338 または 03-5424-1347 |
予算 | ランチ18000円から ディナー25000円から |
座席 | 40席 |
個室 | あり(個室サロンで子連れのファミリーも可) |
予約の可否 | 完全予約制 |