京都に訪れる人なら誰しも憧れる祇園花見小路は、数々の名店が建ち並ぶ、最も京都らしさを感じさせる通りのひとつでしょう。こんな風情たっぷりの場所で泊まれたら…そう思う人も多いはず。でも祇園はさすがに敷居が高すぎる!そんな人に今回ご紹介するのが「Nazuna 京都 椿通」という、歴史ある伝統家屋を改装した町屋ホテルです。実は祇園花見小路にあるわけではなく、高辻大宮というちょっと観光地から外れた場所にあるこちらのお宿。とは言っても阪急大宮駅から徒歩10分とそこまでロケーションは悪くなく、そんな場所にまるで祇園の通りを再現したかのような景色が広がります。
ここが他の町屋ホテルと違うのはなんと言ってもその設計でしょう。通常町屋というと普通の住宅地に1軒ポツンとあるのがほとんどだと思いますが、ここは全20軒が連なる珍しいタイプ。「椿通」と名付けられた、祇園花見小路にも引けを取らない風情あるフォトジェニックな路地が施設内に広がり、その両端に2階建ての客室が並びます。
ドラマのセットのような通りを歩き、町屋の引き戸をガラガラと開けるとメゾネットタイプの清潔感あるお部屋が広がります。実は2020年5月にオープンしたばかりだというこのホテル。新しいだけあって布団やタオルにいたるまで真っ白でフワフワ。お風呂も住宅街とは思えない半露天で、温泉気分でくつろげるのです。
ただ、京都の建物らしく間口が狭く細長い作りのこのホテル。そのためベッドルームは大きめのベッドを置いたらそれ以上スペースが無く、少々圧迫感を覚えるかも。1階は洗面所とそのベッドルームのみで居間は2階。テレビや冷蔵庫などもすべて2階に用意されているので行ったり来たり不便に感じることもあるかもしれません。
しかしコロナで大変な時期にオープンしたためか、スタッフさんのやる気がひしひしと伝わってくるのも事実。そこらのマニュアル通りにしかできない高級ホテルより、よっぽど丁寧で親しみを持てるサービスが心地よく、まさに「おもてなし」という言葉がふさわしいです。少々使い勝手が悪いですが、細長い町屋を最大限に利用した快適な造りになっていますし、とりわけ若いゲストや日本文化に憧れる外国人に受けるでしょう。この時期としては珍しく、ターンダウンでタオルを替え、ゴミも捨てておいてくれたりと細やかな気遣いも光ります。是非一度このユニークな町屋ホテルに滞在してみてはいかがでしょうか。(2020年11月訪問)
旅館名 | Nazuna 京都 椿通 |
住所 | 京都府京都市下京区高辻通大宮西入ル坊門町838 |
TEL | 075-748-0402 |
お風呂 | 部屋風呂のみ |
予算 | 2名1室利用の場合、1人13,000円~(食事なし) |
露天風呂付客室 | 全室半露天風呂付き |