1974年から続く老舗フランス料理店「銀座 レカン」。日本が国際化の時代へと歩みだした時代から変わらず人々から愛されてきたこのお店は、グルメ好きなら知らない人はいない名店です。それにしても1974年なんて私が生まれる20年以上前のこと。もはや学校では近代史として習うような時代ですが、そんなに長く銀座の一等地で他を牽引する存在であり続けるなんて…想像もできない重圧でしょう。
今回私たちがレカンを訪れたのは2021年になってすぐの1月。ちょうど夏に新体制になったばかりだそうで、これで8代目のシェフになるんだとか。新しい料理長である栗田雄平氏はなんと1979年生まれの若手シェフ。お店より若いシェフとはびっくりです。
華やかな銀座4丁目の大通りに面するレカン。昭和感溢れるロゴのポップさとは対照的にお店はとても洗練されていて、銀座らしい大人な雰囲気が漂います。1階で受付を済ませるとエレベーターを使って地下1階の食事空間へ。レストラン内をエレベーターで移動するとはなかなか珍しい…。ウェイティングルームやお手洗いなどは更に下の地下2階にあり、こちらもまたゴージャスな空間が広がります。
残念ながら新体制になる前のレカンに訪れた経験がないので比較が出来ないのですが、老舗の名に恥じない正統派で素晴らしい料理の数々であったことは自信をもって言えます。特にオードブルで出てきたフグのマリネは、水晶文旦の爽やかな風味と昆布ジュレの旨味、そして春菊の微かな苦みが絶妙にマッチしていて、食欲を掻き立てます。一見シンプルに見えるお料理のどれもが丁寧に仕上げられたと分かるほど洗練されていて、とても出来て半年も経たない新体制下でのお料理とは思えませんでした。
そしてレカンを語る上で欠かせないのが食後のプティフールでしょう。フランス語で「宝石箱」という意味を持つ「レカン」。プティフールはここの名物となっていて、大きな宝石箱のようなケースに色とりどりの小菓子が詰められ、そこから好きなだけ選ぶことが出来るのです。ワゴンスタイルでデザートを提供してくれるお店は他にもありますが、やっぱりその都度わくわくしてしまうもの。特にレカンのプティフールは引き出しの中にずらっとお菓子が並び、本当に宝石を見ているかのようなドキドキ感が味わえるのです。
レカンが長きにわたって人気を保ち続けているのは、こうしたお客さんを楽しませる工夫や、進化することを忘れない姿勢にあるのでしょう。デートや接待など、絶対に失敗したくない場面にぴったりのレストランなのです。(2021年1月訪問)
レストラン名 | 銀座 レカン (L’ecrin) |
ジャンル | フレンチ |
住所 | 東京都中央区銀座4-5-5 ミキモトビル B1F |
TEL | 03-3561-9706 |
予算 | ランチ¥10,000~ ディナー¥20,000~ |
座席 | 48席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |