「京旅籠 むげん」は、堀川通りを二条城よりさらに1キロほど北へあがった堀川下長者町のバス停から、もう少し北西に歩いた所にある築160年の京町家を改装した宿。
昔の京都は、入口の広さで税金が決められていたらしいので、「鰻の寝床」と言われる細長い建物が多いのが特徴。「京旅籠 むげん」は、その税制の時期とは違う時期に建てられたものなのかもしれませんが、入口の間口がとても広くて元々も立派な建物だったことがわかります。宿に入る時は、どうリノベーションされているのか毎回楽しみ。入口から入るとまっすぐ中庭に向かってパブリックスペースが広がっていて、館内の奥には中庭に面した別棟の蔵が見えます。入口近くに小上がりになっている場所があり、そこから中が5室のみの客室、広さや部屋の形も様々で全て違う造りです。
町屋の宿の価格設定は数千円で宿泊できる所から一棟貸しですごく高額な所もありますが、この宿はちょうど中間くらい、リーズナブルな宿との違いはどこなのかも気になりました。
宿を予約する時、事前に情報を読み過ぎてしまうと当日の感動が少なくなる気がするので、割と下調べはしないのですが、部屋だけは後悔しないようにホームページを真剣に見ます。今回、一番気に入った部屋は屋根が斜めになっている部屋。何となく屋根裏部屋のような低い天井が気に入って予約をしました。
この部屋は大正解。小さいけど使い勝手の良い水回りと共に明る過ぎない和室の部屋でとても落ち着きました。
チェックインの際、ウエルカムドリンクのチケットをもらって、蔵の方へ行ってみたら、思いもかけないほどの本格的なbar(蔵barというらしい)でした。基本、宿泊客限定なので5室の為だけの場所。1人でも適度な距離感で居心地もとても良く贅沢な空間でした。依頼するとドリンクだけでなく酒の肴を作ってくれるそう。
また、この宿は事前にお願いをすると朝食をつけることが出来ます。金額なんと700円、付けない理由がありません。おくどさんと言われる京都の台所で、その日はご主人が丁寧に作られていた本格的な和朝食。食器もすごくこだわっていて、西京焼きの魚や大豆の味のしっかりするお豆腐など、炊き立てのご飯と共に美味しくいただきました。こういう時、日本に生まれて良かったなと思います。
でも実は、この宿はとても国際的。たまたまその日にいたスタッフの方はアジア圏の国籍の方で、ちょうど秋に予約をしたいと思っていたレストランの台湾語のホームページが読めなくて困っていたのでお声がけして、教えていただきました。
電話で話した女将さんはとても感じが良くて、宿の周りには良いところがたくさんあるのでと言ってくれていたのですが、当日居なくてとても残念、京都生まれではない女将さんが発見した、宿の近所情報、ぜひいろいろ教わりたかったです。(2020年3月訪問)
旅館名 | 京旅籠 むげん |
住所 | 京都府京都市上京区北小大門町548-1 |
TEL | 075-366-3206 |
お風呂 | 部屋によってバスタブ付きかシャワーブース付き |
予算 | 2人部屋利用の場合1人11500円〜(朝食付) |
露天風呂付客室 | なし |