鹿児島の霧島温泉は4つの温泉郷からなっています。そのうちのひとつ丸尾にあるこじんまりとした温泉宿「摘み草の宿 こまつ」。全6室ある客室はそれぞれ趣の異なる露天風呂付き。私たちの「つくし」の部屋は和洋室で、お風呂は内風呂がユニークな畳風呂です。湯船の外が畳敷きになっているのですが、防水畳なので安心だとか。露天風呂は普通の石風呂です。お湯はしっとりする濁り湯でかけ流しのいい湯です。硫黄が強めなので金属製品が変色するからアクセサリーは要注意です。
大浴場はないけれど代わりに貸切風呂があります。渡り廊下を50mほど下りていくところにあり、情緒のある露天風呂です。苔むした塀と木々の目隠しがあり、ムードはあるのですが、上を見ると他の建物が見えたりも・・・。町中に建つため、どうしても自然環境が今一つなのはこの宿の唯一の難点かもしれません。なぜならそれ以外は、温泉、サービス、部屋の快適性、お食事などすべてが合格点の宿だったからです。
お食事処は半個室。ついたてで完全に仕切られていました。料理長は先代の後を継いだという息子さんです。メニュー構成は普通のものが多いけれど、美味しい食べ方を知っておられ、ヘルシーで素材を生かした料理を一番美味しい状態で出すように気を配ってくれます。熱く出すべき物は熱くという、簡単でもなかなか完璧にするのが難しいこともきちんと対応されているのが素晴らしいところでした。
揚げ立て熱々の天ぷらはやっぱり美味しい。春の味、ふきのとうの天ぷらも嬉しい。ヒレステーキやしゃぶしゃぶで牛肉や豚肉も出るけれど、なんといっても野菜中心で、たっぷり出るのがすべてみずみずしくて美味しい野菜たち。「摘み草の宿」だから、やはり野菜に力を入れておられるようです。特に甘いシャキシャキ白菜は黒豚のしゃぶしゃぶでお鍋にしても漬物にしても最高です。
またとりわけ気に入ったのは、ここのスペシャリテともいえる納豆料理。揚げ出し納豆と呼ばれる料理は、小粒の納豆を丸く固めて片栗粉をまぶして油で揚げ、美味しいお出汁に浸けてあります。納豆を一番美味しく食べる料理に出会いました!!この料理はまたすぐにでも食べたい、思い出の1皿となりました。 (2021年3月訪問)
旅館名 | 摘み草の宿 こまつ |
住所 | 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3908 |
TEL | 0995-78-2557 |
お風呂 | 貸切風呂 |
予算 | 2名1室の場合 1人25000円~(2食付き) |
露天風呂付客室 | 全室露天風呂付き |