シェフの山口祐之(まさゆき)氏は業界歴40年弱、今年56歳という大ベテランです。高卒で大阪の名店「ル・ポン・ド・シエル」で長年修業を積み、パリの最高級ホテル「クリヨン」のレストランでも1年ほど働いて帰国。その後今から19年前くらいにこの「西欧料理 サヴァカ」をオープンされました。今ではゴ・エ・ミヨで15点の高評価を得て、静岡県で数少ない「ふじのくにマエストロシェフ」にも選ばれたそうです。
浜松から電車で30分余り、掛川の次の菊川駅からタクシーで10分ほど走ったところの、田舎っぽい風景の中にお店はありました。前には茶畑があって、さすがは静岡です。
カジュアルで席数が多い人気店なので、若いシェフかと思っていたら、山口シェフのような巨匠とも呼べるベテラン料理人がしっかりした料理を出されていることを知り、期待が膨らんできました。
フレンチと聞いていたけれど、表の看板には「西欧料理」の文字が。フレンチもイタリアンもジャンルは気にしない。トルコ料理さえ取り入れることもあるといいます。「でもあくまでも基本はフレンチ」そうシェフは言い切ります。出汁の取り方は、フォンからきっちり作るし、寸胴鍋にいっぱいのスープを煮詰めて少量のフォンにするし、それを使っているから、出汁を取らないイタリアンとは違うのだと。
「選び抜かれた食材をフレンチの技法をベースに御提供します。
時間をかけて仕上げた正統派の料理を、現代人の感性に合わせてアレンジしています」お店のホームページにも、コンセプトとしてこのように書かれていました。
19時からのディナーで頂いたのは、7皿ものコースが6700円とかなりお得な設定です。アミューズ2皿、前菜、スープ、魚、肉、デザート。かなりボリューミーな満足度の高い構成でした。アミューズの最初は2色のパプリカのムースとコンソメジュレ。次は熱々で美味しいウズラ卵のココットに空豆のピューレが入ってエストラゴン風味。トリュフやカリカリチーズのパイもよく合います。多彩な前菜には舌平目のフリット、サクラマス、カッペリーニのトマトソース、カツオのたたきまであります。ポルチーニやハナビラダケ、アスパラに帆立やアサリの入った具の存在感のあるミネストローネは圧巻です。メインの牛、鹿、猪からは鹿肉を選びました。ローストの薄切りは柔らかくお箸でも食べやすいものでした。
お箸で食べる気軽な料理というのも店のコンセプトです。気さくな対応も感じがよく、サービスの女性もシェフのことを話し出したら止まらないほど、おしゃべりがお好きなようで、時間があったらもっとお話ししてみたいと思いました。 (2021年7月訪問)
レストラン名西欧料理 サヴァカ
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 静岡県菊川市沢水加791−11 |
TEL | 0537-37-1820 |
予算 | ランチコース 2550円~ ディナーコース 5500円~ |
座席 | 22席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 予約可 |