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伊予の京都と呼ばれる大洲は愛媛県の西部に位置する大洲城の城下町です。清流肱川を挟んで南北に広がる旧市街は風情漂う町並が魅力的。そこに溶け込むように点在するいくつかの建物からなるホテルが、このNIPPONIA HOTEL大洲城下町です。全20室。古民家や歴史的な邸宅をモダンに改装したレトロムード満点の宿の魅力とは?古民家だけど部屋は暗くて狭くないの?食事は美味しいの?サービスはいいの?そんな疑問を実際に2021年9月に泊まったばかりの著者が丁寧にご紹介いたします。
城下町の風情漂う大洲
城下町大洲の旧市街は情緒満点です。丘の上にある大洲城は数々の武将が活躍した歴史がある城で、その完全復元天守閣が美しい姿を見せています。そこから絶景を見下ろしていると、武将の気分に浸れます。
町中にはもうひとつ見逃せない見どころがあります。日本建築の粋を究めた茅葺屋根の臥龍山荘です。明治時代の豪商河内虎次郎の別邸で、美しく手入れされた日本庭園も見事です。ここは入場観光がおすすめです。
この町には人力車もあって、時間制で頼めばゆっくり走りながら名所を廻ってくれます。ゆっくり散策していると、気の利いた土産物屋やカフェなど、古い建物をモダンに改装したお店も多く、楽しい時間が過ごせます。
分散型の古民家ホテルの良さとは?
ムードある街並みのそこここで見つかるのがNIPPONIAの暖簾です。こんな素敵な町中に溶け込むようにして、このホテルはレセプションにレストランや客室が点在しているのです。だからお部屋から夕食にレストランのある「LE UN」棟へは徒歩10分ぐらい。夕暮れ時の散歩を楽しみながら向かうのも楽しいひと時となるわけです。夜にはライトアップされた大洲城も眺められます。もちろん、歩きたくない人には宿の送迎サービスもあります。
朝食会場はまた別の場所です。客室棟から近めの別棟で、畳の部屋にテーブルが置かれたレトロな空間が素敵です。多彩なシーンを見せてくれたホテルの趣向に脱帽です。
歴史を感じる建物でも、インテリアはモダンで居住性が良いようにリノベーションされているので、快適に非日常感を味わえるのがこのNIPPONIAです。各部屋にお風呂があるので、大浴場などはありません。非日常の空間に不要なテレビは置いてありません。部屋のミニバーは有料ですが、フリーラウンジという共用スペースにはワインやビールと共に、コーヒーマシーンも置かれ、すべて無料で楽しめます。
蔵のタイプ501号室はどう?
私が泊まったのは蔵のタイプ501号室。以前別の古民家宿で蔵の部屋に泊まったら、薄暗くて使い勝手が悪くて嫌になりました。ところがニッポニアの蔵のお部屋はそんな苦手意識を完璧に払拭してくれました。とてもユニークなメゾネットタイプで、分厚い蔵の扉を開けて一歩足を踏み入れると、ギョッとしました。なんと1階部分はすべてがバスルームなのです。しかも大きな檜のバスタブも、洗面台もパウダールームもトイレも全部透けて見えるガラス張りで、照明も明るく開放的です。蔵の壁は水に弱いそうで、すべてを部屋の中央にまとめたガラス箱状態なのです。
2階全体はリビングとベッドルームがすっきり広々とした一間で、こちらも読書や書き物もできる十分な照明で、天窓や一部の窓も開けられて光も差し込みます。私の理想とする広々とした明るい蔵、という理想的な部屋がここでは実現していたのです。ちなみに3人で泊ったこの部屋はVMGデラックスというカテゴリーで檜風呂付き蔵の部屋がひとり21700円(2食付き)というコスパの良さです。直前割で多少割安になっていたようですが、逆に90日以前の早割もあるようです。今回はたまたまとても気に入りましたが、部屋によっても場所によっても全然違うので、思っているイメージと違ったということもあり得ます。サイトでもその違いが見られないので、部屋の内装の違いなどが予約時にわかるようにすればなお便利ではないでしょうか。
予想以上に食事が美味しい!サービスも良い!!
和の食事処で頂くフレンチのディナーは、予想を超えた美味しさでした。食材もメニュー構成も味も申し分なく、私には多少量が多かったものの、普通に食べる人には適量でしょう。
特に気に入った料理はしめ鯖と秋茄子のテリーヌ。ユニークな発想でさっぱりして食べやすい一皿。キノコのコンソメ、地鶏のゼリーも美味しかったし、鯛飯ル・アン風は卵黄と酢のソース掛けで、宇和島風でも宇和島の鯛飯より美味しいものでした。とても印象に残る逸品が次々に出てきて感動のディナーだったのです。
朝食は地元食材を取り入れた日本料理で、地元産のじゃこ天や餡かけ玉子焼き、肉じゃがにヒジキ、岩魚の塩焼きなどなど、適量でとても美味しく、朝から珍しく完食したのでした。
またスタッフはこのホテル全般に共通して感じよくしっかりしている印象です。ホテルの運営のことも部屋のことも料理のことも、何を聞いてもよどみなくプラスアルファの情報で答えてくれるのです。その辺の教育もしっかりしているのでしょう。
データとまとめ
データ
宿の名称 | NIPPONIA HOTEL 大洲城下町 |
住所 | 愛媛県大洲市大洲378 |
電話 | 0120-210-289(VMG総合窓口) |
風呂 | 大浴場はなし。各部屋に風呂付 |
室数 | 全20室 |
予算 | 2人1室利用の場合1人21000円から(2食付き) |
宿のWEBサイト | https://www.ozucastle.com/ |
まとめ
NIPPONIA HOTEL 大洲城下町は⽇本各地で分散型ホテルを展開するVMG HOTELS & UNIQUE VENUESが運営する古民家再生の宿です。こんなに素敵な古民家なら、一度泊まってみたいと思われたのではないでしょうか?
愛媛県を訪れる際は一押しの宿のひとつです。
(2021年9月訪問)