目次
福岡県八女市にあるフレンチレストラン「NONOKA RESTAURANT(ノノカ レストラン)」。まだ全国的には知られていないお店ですが、話題性のあるユニークな料理が評判で、インスタを見て訪れて来る人も少なくありません。
今回はそんな地方のローカルガストロノミーのお店に実際にお邪魔して、その味を堪能してきました。
八女(やめ)の田舎・住宅地にあるフレンチ
そもそも八女市とは八女茶で有名なのどかな田舎町。茶畑が広がるこの町の住宅地にいま注目のフレンチレストラン「NONOKA RESTAURANT」があります。
「NONOKA」があるのは住宅地にある建物の2階。1階が別のお店のカフェスペースになっていて、入口を開けてすぐ横にある階段を上っていきます。
シェフの原隆司氏は元魚屋さんで、独学で料理を学び料理人になったという努力家です。元々「創作料理ノノカ」というお店を別の場所でやっていたそうですが、3年前から今の場所に移転してシェフのお姉さんと2人で切り盛りしているそう。店内はゴッホの絵画に描かれそうなシンプルで可愛らしい空間で、お姉さんのサービスがほのぼのしていて好印象でした。
お店は前日までの完全予約制で、とても一人で調理されているとは思えないような凝った創作フレンチが堪能できます。
驚きの料理に大感動
わたしが「NONOKA」で何より驚かされたのはそのオリジナリティにあります。
メニューの一品目を見てみると、書いてあるのは「牛乳」という文字。「きっと牛乳を使ったババロア的な料理かポタージュ系の料理だろうな~」そんな風に思いながら待っていると、思わず「え!!」とびっくりするような料理が運ばれてきました。なんと出てきたのは小さなジオラマが展開されている箱。箱の上は牧草地を模したデザインになっていて、そこには木が生え、2頭の牛がいるのです。そしてその中でも一際目を引くのが主役である牛乳のタルト。上には牛柄のミルクシートが被せられ、想像以上に「牛感」があります!見た目の可愛さはもちろんのこと、味も申し分なく、クリームチーズやマカダミアナッツ、キウイが相性抜群です。
またその後に出てきた料理も高級店顔負けのクオリティ。卵の殻の中に入った前菜で、パプリカと人参のムースの上にコンソメのジュレとエビがトッピングされています。ムースがさっぱりとしていて食べやすく、エビの風味も良い。好みの一皿でした。
フレンチでつくね!?
創作性抜群の料理が多く見られた「NONOKA」の料理ですが、特に私が素晴らしいと感じたのがハタの料理。自家製のリコッタチーズの上にハタを載せ、梨とピスタチオをアクセントに。表面には薄くスライスしたシャインマスカットを貼りつけ、見た目にも綺麗な料理へと仕上がっています。マスカットの爽やかな甘みがハタとリコッタチーズを繋ぎ合わせていて、主張し過ぎない爽やかな甘みが良かったです。
また魚料理の前に出た小さな肉の前菜もユニークで面白かったです。大きなボウルの中にたっぷりと飾り用の葉が敷き詰められ、その上には串に刺さった肉団子が。豚肉と鶏肉、砂肝、軟骨、レバーを混ぜて赤ワインソースで甘辛く味付けした、フレンチ版「つくね」です。熱々で、ところどころ感じるコリッとした食感が堪りません。若者向きする料理で私はかなり気に入りました。
またリゾットの食材の組み合わせには目を見張るものがありました。帆立のリゾットは秋刀魚のソテーとトマトソースと共に。アクセントになんと梅を使っていて、和の要素もちりばめられています。そしてユニークなのはリゾット全体を覆い隠すように盛り付けられたマッシュルームのチップス。これがまた口の中にいい香りをもたらしてくれて、満足度の高い一品となりました。
データ
店名 | NONOKA RESTAURANT |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 福岡県八女市納楚597-1 2F |
電話番号 | 0943-24-1712 |
予算 | ランチ¥5,000~ ディナー¥10,000~ |
予約 | 完全予約制 |
まとめ
これだけオリジナリティのある創作フレンチを計8皿もいただいて、ランチのお値段はなんと5,000円。ボリュームもあるのでかなりコスパの良い価格設定です。
まさかこんな住宅街にある小さなレストランでこんなにワクワクさせられる食事ができるとは思いませんでした。思わずSNSにアップしたくなる、そんな料理に出会えますよ。(2021年10月訪問)