太宰府名物である「梅ヶ枝餅」。太宰府の駅を降りるとそこかしこで焼きたての梅ヶ枝餅を売っているお店を見かけます。
そもそもの始まりは平安時代。この地に無実の罪で流されてきた菅原道真の存在は皆さん知るところだと思います。当時罪人とされ不当な扱いを受けていた道真。食べるものもままならず憔悴していた折に、とある老婆に梅の枝を添えたお餅を差し入れてもらったことが「梅ヶ枝餅」の始まりだと言われています。
梅ヶ枝餅を扱うお店はいくつかありますが、やはり1番の有名どころは「かさの家」でしょう。大正11年から続くこちらのお店は、元々は旅籠屋として旅人に親しまれていた場所。その際に一緒に梅ヶ枝餅を販売したところ大変喜ばれ、現在もたくさんの人に愛される商品となっています。
もち米とうるち米を使った生地にあんこを詰め、香ばしく焼き上げた梅ヶ枝餅。名前に「梅」とついていますが、梅肉は入っていません。代わり可愛らしい梅の刻印が刻まれており、太宰府に欠かせない風物詩の一つとなっています。
シンプルなお菓子なので、どこの梅ヶ枝餅も大して変わらないのではと思われるかもしれませんが、やはり食べ比べてみるとそれぞれ生地の厚みや小豆の風味など違いがあります。
「かさの家」の梅ヶ枝餅は、創業当時から変わらぬ味と製法で作られており、上品な甘さが特徴です。ほのかな甘さの粒あんをたっぷり包み、パリっと香ばしく焼き上げた生地が人気の秘密。ふっくらとした小豆は十勝産のもので、甘さを引き立たせるために天草の塩も使われています。
実は太宰府天満宮参道に4店舗も構えている「かさの家」。お茶だけでなくご飯も楽しむことができる「笠乃家」や、チョコレートショップとコラボした和洋スイーツが楽しめる「café kasanoya」などそれぞれ特徴が異なります。
今回私がお邪魔したのは「茶房・ぎゃらりー かさの家」。歴史を感じさせる日本家屋の中で定番の梅ヶ枝餅をはじめ、ぜんざいなどの和スイーツを楽しむことができる甘味処です。靴を脱いで上がった先、席からは綺麗に整えられた庭が見え、趣もあります。
頼んだのは「抹茶セット」という梅ヶ枝餅と抹茶がセットになった品と、白玉ぜんざい。焼きたてを出してくれるのが嬉しく、生地もモチモチ感があります。抹茶は本場京都から取り寄せているもので、ほのかな苦みが梅ヶ枝餅とも良く合います。
一方、白玉ぜんざいは少し甘めの味付け。一緒についてきた昆布と合わせて食べると美味しくいただくことができました。
梅ヶ枝餅を片手に参道を練り歩くのもいいですが、寒い日にはお抹茶と一緒にちょっとひと息つくのも気持ちがいいでしょう。(2022年1月訪問)
レストラン名 | 茶房 ぎゃらりー かさの家 |
ジャンル | 甘味処、和菓子 |
住所 | 福岡県太宰府市宰府2-7-24 |
TEL | 092-922-1010 |
予算 | ¥650~ |
個室 | 半個室あり |
予約の可否 | 不可 |
公式サイト | http://www.kasanoya.com/gallery.html |