今でこそモダンチャイニーズは日本全国で見られるようになりましたが、ここ浅草にある「龍圓(りゅうえん)」はそんなモダンチャイニーズの先駆け的存在。「セオリー通りではなく、他と違うことをやりたい」というシェフ栖原一之氏の思いから、龍圓の料理はどこかフレンチやイタリアンの皿を思いださせるようなユニークな品です。
私は中華料理というと10年以上通い続けているお気に入りのお店があるのですが、そちらはオーソドックスな中華料理。実はモダンチャイニーズを食べるのはほとんど初めてで、今回は一風変わった中華料理が味わえると聞き、期待しながら浅草へと足を運んだのです。
浅草の大通りに面した「龍圓」は創業25年を超える人気店。数年前までは地元の人向けにアラカルトメニューもあったそうですが、今はお任せコース1本に絞って提供しています。
スマートカジュアルと記載があったため少しオシャレをして行ったものの、店内はいたって普通の食堂といった印象。オシャレさも高級感も無く、コートも自分でかけるスタイルです。
今回私は6,000円のランチコースを注文。全9品の充実コースです。待つこと数分、まず最初に出てきたのは「エスプーマ ピータン豆腐」というお料理。エスプーマとは・・・もう聞くからにフランス料理の要素を取り入れているのが分かります。見た目もカクテルグラスにピータンとムース状の豆腐が盛り付けられていて、なんだか中華料理らしさを感じません。他にも黒トリュフのかかったかに玉や、まるでパスタのように盛り付けられた汁なし担々麵などなど創作性を感じさせるお料理が続きます。どれも一見中華っぽくないにもかかわらず味は一流の中華料理というのが面白いところ。特に私が気に入ったのは寒玉キャベツの春巻きにカラスミをかけた一品。キャベツの甘みとカラスミの相性が抜群で、こんな食べ方があったのかと驚かされました。もしかしたら1番好きなキャベツの食べ方かもしれない・・・。
実は毎年香港に趣いたり様々なジャンルのシェフと交流して見聞を広めているという栖原氏。そんな彼のストイックで柔軟な姿勢は料理の味にも反映されていると、食べてみて実感したのでした。中華は圧倒的に飲茶が好きな私でしたがこれには大満足。新たな扉が開く素晴らしいモダンチャイニーズに出会うことが出来ました。(2021年1月訪問)
レストラン名 | 龍圓 (リュウエン) |
ジャンル | 中華料理 |
住所 | 東京都台東区西浅草3-1-9 |
TEL | 050-5596-3172 |
予算 | ¥6,000~ |
座席 | 24席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 予約可 |