500年もの歴史をもつ銀山温泉は、かなり有名な温泉街なのに来るのは今回が初めてで、大正浪漫漂う街並みを楽しみにやってきました。
銀山川に沿って家並み条例で守られているという大正時代の洋風木造多層の宿が軒を並べ、昼も素敵ですが、夜になるとすでに地中化になっていて電線のない温泉街にはガス灯がともり、独特のレトロな情景を味わうことができます。
「能登屋旅館」は銀山から銀が出た頃に能登の七尾から仕事に来ていた木戸佐左工門氏が、最初に温泉を掘りあてました。今は3つある源泉を合わせ湯にして管理されているので他のところは全て合わせ湯ですが、この旅館の建物地下にある元湯の洞窟風呂だけは源泉1号そのままなのだそうです。江戸時代にはすでに銀が取れなくなりましたが、温泉が湧いたからこそ湯治場として発展してきた歴史があります。
川の氾濫があり大正10年に建て直された木造3階建ての本館には、宿の前に立派な「木戸佐左工門」の文字が。当時の銀山温泉は、建築士より左官の人の方が立場が上で、みんなが腕によりをかけて街中にたくさんの仕事を見ることができます。この看板にも鳳凰と桐が造作されていて、なんと宿の名前より主人の名前の方が大きく書かれていて驚きました。銀山温泉は、世襲制で「能登屋旅館」は今、17代目なのだそう。
今回の宿泊は別館山側の客室。チェックインして、すぐに予約制の展望露天風呂に行きました。案内いただいた階段をあがって行く滝の見える露天風呂は、冬季は閉鎖しているので、いつ頃から開けるんですか?と聞いたら今年は今日からですと言われました。ありがたいことに今年の1番風呂のお客さまになれました。
お風呂上がり、街を散策しました。少し奥に行くと間近に観れる滝があり、お店やカフェなどもあってちょうどいい大きさです。
夕食は地元の山「鳥海」という名の個室で、尾花沢牛や今まで食べた中で1番美味しかった鯉の煮付け、鴨汁など地元産の食材を使った料理。全部美味しかったのに、量が多すぎて最後まで辿り着けなかったのが残念です。
夕食後、また街へ散策に行きました。まだ夜は寒い山形県。宿に用意されているオレンジ色の防寒着を着て歩きました。
行き交う人に写真を撮ってもらったり、やはり街並みにも魅力があるから、チェックインしたあとにも何度も街に出たくなるのだと思いました。(2021年4月訪問)
旅館名 | 能登屋旅館 |
住所 | 山形県尾花沢市銀山温泉 |
TEL | 0237-28-2327 |
お風呂 | 貸し切り展望風呂 内湯あり |
予算 | 2名1室利用の場合1人16.950円〜 (2食付き) |
露天風呂付客室 | なし |