名古屋のシンボル的存在であるテレビ塔。そんなテレビ塔から歩いて5分、大通りに面した場所に店を構えるのが「セッタンタ」というイタリアンです。
今回の訪問目的は友人の誕生日祝い。「高級感がある」「明るめの店内、個室でゆったりと楽しめる」「評判の良いイタリアン」というのが友人からのリクエスト。「それでいて立地も良ければ完璧」と付け加えられ、そんな都合のいいお店あるのか?と調べていたところ、見つけたのが「セッタンタ」だったのです。
ミシュラン1つ星に輝き、ゴ・エ・ミヨでも16.0点の高評価を得ている「セッタンタ」。名古屋から日本・世界に誇れるイタリアンを、というコンセプトのもとで腕を振るうのは水口秀介シェフ。同じ1970年生まれのソムリエ成瀬洋之氏とのタッグが素晴らしく、こだわり抜いた料理とサービスが魅力のお店です。
せっかくのバースデーディナーでしたが、緊急事態宣言下ということで残念ながら今回はソフトドリンクで乾杯することに。こういう高級レストランの場合、アルコールは充実していてもノンアルコールは数種類しかないというパターンがほとんどですが、ここは驚くほど種類が豊富。どれも気になって目移りしてしまうので、せっかくならとソフトドリンクのペアリングでいただくことにしました。
水口シェフがつくるのはシンプルながらも創作性溢れる料理。特に私が気に入ったのが、サマートリュフをふんだんに使用したリゾットです。中央にはとろとろの温玉がのせられ、もう見るからに美味しいのが分かります。パルメザンチーズの濃厚な味わいとトリュフの香り、そしてそれらを優しく包み込む卵…間違いのない一品です。そして意外にもリゾットのペアリングとして出されたのはほうじ茶。もっと樽の風味が強いノンアルコールのワインが来るものだと思っていたのでびっくりしましたが、実際に合わせて飲んでみると納得。濃厚な組み合わせのリゾットも、ほうじ茶の香ばしさがプラスされることでしつこさが消え食べやすい逸品に。これぞペアリングだと感心したのでした。
またこのお店のスペシャリテであるフルーツトマトのカッペリーニも欠かせません。高知県産の糖度が高い徳谷トマトを使用したこの料理。余計なものが一切入っていないシンプルな料理ですが、トマトの爽やかさと濃厚な甘みが特徴で、暑くなってきた今の時期にぴったりの一皿です。
またフォアグラに甘く味付けした生姜とジェラートを合わせたり、ウニのパスタには焼きナスを合わせたり…と組み合わせも面白かったです。重たいフォアグラのソテーも生姜と合わせると爽やかな料理へ、パスタもウニの甘さが引き立つように焼きナスの渋みをプラス。食材の組み合わせが巧みで、なるほどこれは一朝一夕ではたどり着けない、「集大成」と呼ぶにふさわしい料理だと実感しました。またペアリングの飲み物もチョイスが絶妙。単体で飲んだらクセのあるブドウジュースも何故か料理をいただいたあとに飲むと嫌なクセだけが抜け、非常に料理に合った味に変身してしまうのです。料理に合わせて飲み物を探すのか、飲み物に合わせて料理を作るのか。定かではありませんが、セッタンタの料理は飲み物に合わせて作られているのではないかと思えるほど素晴らしくマッチしたものでした。ソフトドリンク故に1杯1杯の量が多く飲み切るのは無理でしたが、もし機会があるならば今度はソムリエさんが厳選したワインで乾杯したいものです。(2021年6月訪問)
レストラン名 | セッタンタ (Settanta) |
ジャンル | イタリアン/イタリア料理 |
住所 | 愛知県名古屋市東区泉1-15-23 1F |
TEL | 052-228-7036 |
予算 | ランチ¥6,000~ ディナー¥12,000~ |
座席 | 16席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |