和歌山県の龍神温泉と群馬県の川中温泉と並び、日本3大美人の湯に指定されているのがここ島根県の湯の川温泉です。
出雲神話が息づく地、新緑の木々に色濃く包み込まれるようにして建っているのが湯宿 草菴です。すべて源泉かけ流しで、一切の加温加水なしでスベスベになる名湯です。お部屋に専用露天風呂があり、なおかつ貸切風呂が5つもあると聞いていたので、大浴場はなくともお風呂をいろいろ楽しみたい私にはうってつけと、楽しみにして伺いました。
ところが行ってみて知ったのですが、このコロナ禍ということで、お風呂付の部屋のゲストは貸切風呂の利用ができなくなっていたのです。全17室のうち半分以上はお風呂なしの部屋だそうで、今はお風呂なしのゲストだけが貸切風呂を利用できるようにしたそうです。なんででしょうか??貸切だから密にはなりませんけど。
事前調査不足と言われればそれまでですが、コロナ禍でなければ私たちも5つの貸切風呂の利用ができたはず。風呂付の部屋は1人45000円以上します。風呂なしの倍額近いのです。それはお風呂をいろいろ楽しむための料金も含まれていたのでは?入れないと知りつつどんなお風呂か気になって見学だけ行きました。檜の湯、ひょうたんの湯、石風呂、岩風呂などバラエティに富んでいて楽しそうです。どれもが源泉かけ流しです。お風呂なしの部屋の人は空いていればこれらの5つのお風呂を存分に楽しめます。見ていると結構空いている時間もありました。コロナ禍ではむしろゲストが少なめのはずなので、うまく時間制にしてやりくりすれば皆が使えるかと思います。やればできるし、こういうことはやっている旅館がほとんどなのに、この宿はコロナの名のもとにサービスの低下ではないでしょうか?本当にがっかりな納得できないやり方です。
しかしながら、貸切風呂以外の点ではこの宿は合格点だと思いました。私たちの部屋は政MASAという100㎡もの部屋で、石のお風呂のあるバスルームは広々として、小さな旅館の大浴場並みで3~4人くらいは入れそうな大きさです。美人の湯を謳っているだけあって、そのお湯はしっとり、入るだけでお肌が潤います。「温泉の湯に浸して温泉パックをしてください」と置かれていたフェイシャルパックの紙を使って早速温泉に浸かりながら顔のパックを楽しみます。乾いてきたらまたお湯をかけて水分を取り込みます。結果は化粧水が要らないほど効果抜群なのに驚きました。毎日入りたい!!
部屋は民芸調で暗くて古いイメージであまり好みではないけれど、和式ではないのでソファで足が延ばせるのは楽ちんです。ミニバーもドリンクは無料。ラジウムボトルに水を入れて冷やしてくれています。ラジウム水は美味しくてヘルシーです。
スタッフとゲストとの接触を極力減らす工夫はあちこちで見受けました。とりわけ食事の説明には驚きました。口頭で説明する代わりに、丁寧な説明パンフレットを渡されました。説明文が超が付くほど細かく、栄養素のことまでびっしり書かれた初めて見るほど懇切丁寧な説明です。
料理の量はとても多く、ひとつひとつが凝っていて品数が並大抵のものではなく、どれもが美味しいものでした。手抜きは一切なく、丁寧な仕事をされています。これだけの品々をを4人の料理人で手分けして作っているとのこと。
早朝出発だったので、予定より早めに朝食を用意してくださいました。しじみのお味噌汁も、のどぐろの一夜干しも、イカの刺身も、旅行者が望む地元の名産はちゃんと入っています。ディナーもそうでしたが、的をついたメニュー構成が素晴らしい食卓でした。
今度来るときはいろんなお風呂に入れるようになっていればいいのに…これだけは切に祈りたい気持ちです。 (2021年5月訪問)
旅館名 | 湯宿 草菴 |
住所 | 島根県出雲市斐川町学頭1491 |
TEL | 0853-72-0226 |
お風呂 | 大浴場、露天風呂、貸切風呂 |
予算 | 2人1室利用の場合 1人 25600円~(2食付き、室内風呂なし) |
露天風呂付客室 | あり |