新潟市内の古町は、かつて花街として知られていました。そんな風情のある町中に武家屋敷のように立派な店構えの料亭があります。それが1846年創業の老舗料理店「鍋茶屋(なべじゃや)」です。創業者がすっぽんの鍋料理を始めたことから、この店名が付いたそうです。
その一部をリノベーションし、新たに2016年オープンした日本料理店がこの「鍋茶屋 光琳」なのです。7代目ご主人の高橋英司氏。京都の「瓢亭」で修業した経験を持ち、今では2020年新潟版ミシュランで見事2つ星を獲得し、その実力を実証されたのです。
ランチのコースは11000円のおまかせコースを予約。ワイドなガラス窓から庭が眺められる美しい個室に通されました。静寂の中、心地よい午後のひとときです。さすがにサービスも感じがよく、すべて行き届いています。
お料理の内容は、格式あるお店だから正統派懐石料理が出るのかと想像していました。ところが実際は随所にこのお店ならではの趣向が凝らされていたのです。味もメニュー構成も、まさに日本料理の先端をいくものでした。
最初よく冷えた生ビールと一緒に登場したのがコウイカです。とても味わいのある木の芽ソースは新鮮なイカに合うし、ビールのおつまみとしても最高の塩加減です。よくありそうな突き出しですが、一味も二味も違う。いきなりグッときました。
6月上旬、今年初めての鱧のお椀です。もう今年も鱧の季節になったか‥なんだか感慨深いものでした。お出汁は安定の美味しさで、飲み干すと人心地がつきました。お造りは皮を炙って脂の旨味を凝縮した絶品のノドグロ。それと高級魚アラもすだちを搾って。新鮮さが際立ちます。
そしてここでいきなり握り寿司登場。小ぶりの佐渡の本鮪はとろける美味しさ。この段階でこういうのを出すところがニクイ。理想的な美味しさで思わずお替りしたくなったほど。次は竹の子と自家製湯葉の炊き合わせです。上品でこれ以上の味は求めようがない理想の1皿。
それから鮎の天ぷらです。あーもう鮎の季節か~とまたもや夏を思う。からりと揚げた鮎もいけます。グリンピース豆腐の揚げ出しも添えて。
次に登場したのが新潟産まごちのしゃぶしゃぶです。10秒くらいしゃぶしゃぶしてタレに付けて頂きます。楽しい鍋の趣向はさすか鍋茶屋さんの本領発揮です。だし汁に藻塩をちょっぴり入れて飲むとまた美味しいのです。
メインは短角牛のローストです。そしてご飯は新生姜と鱒の炊き込みご飯。もちろんたった今釜で炊き上がったホッカホカです。
新潟の日本料理を代表する2つ星のお料理に大満足の午後でした。
(2021年6月訪問)
レストラン名 | 鍋茶屋 光琳 |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 新潟県新潟市中央区東堀通8番町1420 |
TEL | 025-223-2015 |
予算 | ランチ 弁当6300円 コース11000円~ ディナー コース19000円~ |
座席 | 個室 大広間など多数あり |
個室 | あり |
予約の可否 | 完全予約制 |