「私たちの家で」という意味を持つフランス語「Chez Nous(シェヌー)」。宮城県仙台近郊の塩釜市にあるこちらのお店は、まさに「私たちの家」という言葉が似合うアットホームな雰囲気が魅力のフレンチレストランです。
JRの本塩釜駅から徒歩2分。海に近く、志波彦神社・鹽竈(しおがま)神社からも徒歩5分ほどの場所に建つ黄色い大きな建物。雰囲気のいいテラス席もあり、連日満席になる「シェヌー」は1980年のオープン以来、長年多くの人から愛されている人気店です。私たちが行った日も平日のランチなのにとても混んでいて、賑わいを見せていました。
しかしアットホームなフレンチと言っても料理の内容は非常に本格的。伝統的なフランス料理に家庭的な優しさがプラスされており、見た目にも華やかです。色鮮やかな料理は一つ一つ丁寧に仕上げられており好感も持てます。そして料理は勿論のこと、鷹揚で明るいマダムはこのお店に欠かすことの出来ない存在です。フランスの田舎を思わせる愛らしく素敵なスカートはとてもお似合いでした。50席もある大きなお店ですが、マダムをはじめスタッフのみなさんもこなれていて、行き届いたサービスが心地良いのです。
私が今回頼んだのは5,500円の「ミディ」というランチコース。メニューはプリフィックス制で、たくさんある中から好きなものを選ぶことが出来ます。私は前菜に「鴨とフォアグラのテリーヌ仕立て」を注文。鴨肉のパテとフォアグラをミルフィーユのように交互に重ね、フォンのゼリーで寄せたテリーヌは手間のかかった逸品です。どうやら人気メニューらしく私が注文した後すぐに品切れに。早めに来店しておいて正解でした。横に添えられたリンゴとの相性も良く、オーソドックスですが間違いのない美味しさです。
次いで運ばれてきたのは「海の幸ロワイヤルスープ カプチーノ仕立て」。ビスクのような海鮮スープの下にフランがあり、一緒に食べると見事に調和がとれています。ビスクはお店によってはやたら味が濃く濃厚なことがありますが、ここのものは日本人好みに味が調整されていて、とっつきやすいお味です。
そしてメインはプラス2,200円で仙台牛のA5ランクのフィレ肉に変更。こちらを特製のオリーブソースでいただきます。ナイフの刃がスッと通るような柔らかなお肉は見た目ほど脂っこく無く美味。素材が良いのは勿論ですが、火入れやソースの風味もセンスがあり、まさか地方のお店でこんなに本格的なフレンチをいただけるとは思ってもみませんでした。
話を聞いてみると、なんでもシェフとその息子さんはフランスの星付きレストランでの修業経験もあるそう。それでこれだけのクオリティのものが提供できるのかと納得しました。お料理は東京の高級店に引けを取らないレベルですが、サービスはアットホームで居心地が良く、値段もリーズナブル。「シェヌー」は初めてこういうお店を利用する人にもオススメ出来るお店の一つです。 (2021年7月訪問)
レストラン名 | シェヌー |
ジャンル | フレンチ/フランス料理 |
住所 | 宮城県塩竈市海岸通7-2 |
TEL | 022-365-9312 |
予算 | ランチ¥3,850~ ディナー¥5,500~ |
座席 | 50席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |