店名の「ディファランス」はいつもと「違う」時間の流れを・・だからディファランスと名付けたそうです。大阪本町の靭公園に面した白いビルはお洒落で、1階に2つテーブルがあり、2階には厨房と4つのテーブル。2階に通されると、真っ白な壁には一切の装飾はなく、極めてシンプルですっきりした空間です。インテリアの特徴はと言われたら、何もないインテリアというのでしょうか。
日航大阪の有名フレンチ「レ・セレブリテ」で11年勤務し、スーシェフまで務めた後、2013年にこのお店をオープンしたオーナーシェフ。いまではミシュラン1つ星を獲得した人気店です。
今回はディナー12品14160円のコースを頂きました。時間に余裕があったので、辺りを散策してお腹を空かせて、万全の態勢で入店したのです。
コロナ禍とあって、20時閉店に合わせ、17:30スタートです。その日は私たちともう1組の計2組だけのゲストでしたが、時間制限があるからか、スピードアップして淡々とメニューをこなしていくという感じでした。スタッフの方は丁寧ですが、雑談をするという余裕は感じられません。お店の方との無駄話はできないムードで、一言も声をかけてもらえませんでした。料理を運んで説明するだけならロボットでもできるのでは?
お料理は12皿、結論としては玉石混合と言った感想です。創作性はとても感じました。でも一部美味しさが伴わなかった気がします。印象的で美味しかったのは茄子料理とメインの鹿料理とデザートの1皿目でした。さっぱりした酸味が絶妙な茄子料理、ビーフと変わらない美味しさの鹿料理。
12皿とたくさん出さないといけないという思いがあるようですが、鮪の前菜とかビーフの前菜、2皿目のデザートはむしろない方がいいかと思いました。多皿料理の前菜にしては量が多すぎて、ボンヤリした印象のマグロ料理。アミューズでフォアグラを使い、岩ガキのクリーミーさが口に残る中で、牛肉のタルタル風細切り肉の固まりに黒いソースかけられ、それにどろんとした生っぽいタコがへばり付いて不思議な食感で、食欲がなくなりました。
魚料理からあとはよかったので、前半が残念でした。デザートの一皿目はデラウエアのブドウをたくさん使ってジュレと合わせた爽やかで美味しいもの。これはアヴェンデセールのようですが、次にトマトを使ったデザートは不要かと感じました。プチフールもいろいろ出ました。帰りの新幹線でゆっくり頂きたいと持ち帰りを依頼したら、生クリーム入りのものがあるので不可ということで断念。後で美味しいお菓子を頂ければ好印象なので、焼き菓子やマカロンなどを出されるお店が多い中、最後までクリーミーなものばかりは考えものでは?焼き菓子もいくつかあったので、それだけでも持ち帰らせてくれればいいのですが、ダメだったのは残念です。12皿の後には皆さん満腹で、無理に食べるのはもったいないですね。
最後までお店の方とのコミュニケーションはなく、印象にも残りにくかったディナータイムでした。コロナ禍といえど、ゲストを大事にして一生懸命コミュニケーションを取ってくれるお店は、誰しもリピートしたくなるもの。メニュー構成と合わせてそう言った点を改善されれば、1ツ星店らしい魅力がもっと発揮できるのではないでしょうか? (2021年6月訪問)
レストラン名 | レストラン ディファランス |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 大阪市西区靱本町1丁目16−12 |
TEL | 06-6479-1140 |
予算 | ランチ コース 5900円~ ディナー コース 14160円 |
座席 | 12席 |
個室 | なし |
予約の可否 | 予約可 |